『オリジナル・シン(ORIGINAL SIN)』の感想(ネタバレあり)

6月はいよいよデアゴスティーニの「週刊マーベル・ファクト・ファイル」が発売されます。
映画『アイアンマン』が公開されたタイミングでアイアンマンに魅了されてしまった僕は、そこからアベンジャーズ系列の映画はチェックしつつ、少しづつ原作に当たるMARVELのコミックス(いわゆるアメコミ)にも手を出してきました。

ただ、日本語に翻訳されるのはMARVELコミックのごく一部で。でもいろいろな”前提情報”を知っていないと理解できないエピソードも多いので、アメコミってなかなか読むのが大変。。
でも、やっぱりアイアンマンを中心とするあの世界観が好きなので、ここいらで「マーベルオタク」になってやろうかと!
マーベル・ファクト・ファイルはもちろん購読するし、日本語翻訳されているコミックスも集めていきたいと思います。
で、同じように映画から入って原作にも興味を持った人にとって役に立つような記事をこのブログの1コーナーとして更新していこうと思います。

『オリジナル・シン(ORIGINAL SIN)』の概要

というわけで、まず1冊目として紹介するのはこちら、『オリジナル・シン』。
日本語版の発売は今年の4月。5月の新刊はデッドプール関連だったので、”アベンジャーズ系列”としては最新刊と言って良いでしょう。

あらすじは以下のとおり。

宇宙のあらゆる出来事を観察し、その目に焼きつけてきた静かなる観察者ウォッチャー。月面の居城から地球を見つめ続けてきた彼が殺害される事件が発生した。人智を超えた全能者である彼を殺害したのは誰なのか?その動機は?真相究明に乗り出したヒーロー達を待っていたのは、自らが封印してきた「罪」の数々だった…。マーベルユニバースの暗部を暴く問題作、ついに登場!

『オリジナル・シン(ORIGINAL SIN)』の収録エピソード

海外版では、ORIGINAL SINの中で明かされる秘密を描いたORIGINAL SINのサイドエピソードや、続編的なORIGINAL SINSのシリーズも刊行中です。

『オリジナル・シン(ORIGINAL SIN)』の感想

物語の前提としては、日本語翻訳版も出ている『インフィニティ』の続編で、アベンジャーズシリーズ同様にキャラクターが入り乱れるクロスオーバー作品です。
物語の中心にいるのは二人。「ニック・フューリー」「ウォッチャー」
ニック・フューリーは映画にも出てくるのでおなじみですが、実は映画版のもとになっているニック・フューリーとオリジナル・シンのニック・フューリーは別の宇宙の人物で…、と、こういうところがアメコミのややこしいところです。
とはいえ、ポジション的には映画版のニック・フューリーと思って読んでも特に問題はないでしょう。

もう一方のウォッチャーは、それこそ1960年台から登場しているコミックでは超定番のキャラ。
世界のすべてを見ているもので、スーパーヒーローというよりは”神様”みたいなポジションのキャラクターで、今後もおそらく映画には出ないんじゃないかな?というキャラクターです。

[ via Uatu The Watcher | Characters | Marvel.com ]
見た目もちょっとアレですし…何より超デカいんですよね、この人…。実写で出たら流石に笑えるサイズ感。マーベルにはギャラクタスとか巨大キャラはいろいろいますが、アントマンのジャイアントマン的な表現が実写的にはギリですよねー…。

その他の登場人物は映画でもおなじみのキャラクターが中心。
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーのビッグ3は全員登場。その他にも、スパイダーマン、ブラック・ウィドウ、ブラック・パンサー、アントマン、Dr.ストレンジ、ウィンター・ソルジャー、ガモーラ。
また、映画ではまだ共演のないXメンのウルヴァリンやエマ・フロスト、ファンタスティック・フォーのシング。それからデッドプールに登場したパニッシャーが登場します。

また、オリジナル・シンのエピソード0的な話が収録されているんですが、そのエピソードの主人公に当たるのがノヴァというキャラクター。
ある日突然蒸発した父の跡をついでスーパーヒーローになってしまった少年で、まだ力をコントロールできていないものの、なかなかの強キャラです。
キャラの軽さ、というか未完成な感じが映画版のスパイダーマンに近いところがあり、なかなか魅力的なキャラクター。
今後映画版に登場してもおかしくないかな?と思わせる注目のキャラです。

[ via Nova | Characters | Marvel.com ]

それぞれのキャラクターのバックボーンが絡んでくる話もありますが、映画で知っているくらいの前提でも十分に読み進められるエピソードになっていて。
1巻で完結するし、各エピソードでわかりやすい「驚き」が用意されているのもどんどん続きを読みたくなる展開力があって。
マーベルコミックの最初の1冊として意外に最適な1冊だったように思います。

ストーリーもシビル・ウォーよりもさらに深いところで、それぞれのヒーローがそれぞれの”正しき道”の考え方の違いから分かれていく物語でもあり。”正義”について考えさせられる、大人が読んでも”深み”を感じる物語でした。

『オリジナル・シン(ORIGINAL SIN)』の感想(ネタバレあり)

“神様”に近い存在のウォッチャーが何者かに殺された、という宇宙的大殺人事件の謎解きベースに、すべてを観察していたウォッチャーの見たもの(宇宙すべての秘密)を巡るミステリー色の強いストーリーが本作『オリジナル・シン』です。
ウォッチャーが抱えていた秘密、特にニック・フューリーに関する秘密が、またしてもアベンジャーズたちに分裂とそれぞれの決断を迫ります。

ニックが抱えていた”秘密”とは、これまでの彼の設定をかなり大きく変更するほどのもの。
シールズの長官としての表の活動の傍ら、地球を侵略しようとする異星人たちに対し、秘密裏の大量虐殺を繰り返していた、というもの。そして、結果ウォッチャーを殺した犯人もニック・フューリーでした。(ウォッチャー自身がそれを望んだという意味で、ただの殺人ではないですが。)

「フューリーは手を汚したが、正義のためだった」
「動機は正義でも、フューリーの行いは大量虐殺でしかない」

“正義”に対する大きな思想の違いで、ヒーローのあり方は二分してしまいます。

そして、ウィンター・ソルジャーはニックの思想を引き継ぎ”必要悪”としての正義の虐殺者へと。
さらに、死んだと思わるニック・フューリーらしき男が、ウォッチャーを次ぐ新たな”神”のポジションとも言える「アンシーン(見られざる者)」として、新たな世界の観察者となります。
ウォッチャーが死に、アンシーンが生まれ、ウィンター・ソルジャーが世界を守る”正義”の汚れ仕事の執行者となる。
この大きな変化は、今後のシリーズにおいても重要なポイントになりそう。
そういう意味でも、アベンジャーズを追いかける上では外せない一冊だったと思います。

ウォッチャーの死体や、本作のヴィランであるジ・オーブの見た目など、インパクトのある絵が多く、ページをめくる楽しさのある作品。
各話の終わりは特にド派手な演出が多く、#2の終わりでジ・オーブが顔をだすシーン、#3でウィンター・ソルジャーが突然ニック・フューリーの首を切り落とすシーン、#4では本物にニック・フューリーが登場など、読み勧めていて「マジかよ!!」とテンションが上がるシーンが多い作品で、映画から入ってコミックに行こうと思う人向けの1冊として、やはり”推しポイント”の多い一冊だったと思います!

唯一の不満点は、ヴィランの魅力がちょっと欠けているという点。
ジ・オーブは物語のテーマ的にハマっているビジュアルなのでインパクトがありましたが、マイダスとエクスターミネイトリクスはちょっと存在感が薄すぎましたね。
まあ、これは映画版でもよくある不満点なので、マーベルってこんなもんなのかもしれませんが。(映画版の最初の『アベンジャーズ』を除く。)

原作のアベンジャーズはオリジナル・シンの後「Time Runs Out『タイム・ランズ・アウト』」というシリーズへ突入。
こちはら、2019年の夏に翻訳版の発売が予定されているようです。

僕はといえば、オリジナル・シンの前の大型クロスオーバー作品である「INFINITY」を読み始めようと思います!