ホラーで、コメディーで、ラブストーリーで、青春映画で、ミステリー! 映画『死の恋人ニーナ』ネタバレ感想

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“設定一発勝負のちょっとエロくてちょっとグロいホラー映画”。
そんな映画を思わせるビジュアルの映画でしたが、予想を裏切るなかなかの名作でした。

“設定一発勝負”といえばまさにそうなんですが、ホラーなのかコメディーなのかギリギリの綱渡りをしていくようなバランスが絶妙。
バカバカしさに笑う場面よりも、もっと上品でシニカルな笑いに終始しているのも予想外でした。

そしてあのラスト!!
「こう来たか!」と唸らされる展開も見事でした。
あとは何よりホリーちゃんが可愛いうえにおっぱいもドーンと見せてくれるのが素晴らしかったですね。

「死の恋人ニーナ」の作品概要

2015/イギリス 上映時間:98分
原題:Nina Forever
配給:ブロードメディア・スタジオ
監督:ベン・ブライン、クリス・ブライン
出演:アビゲイル・ハーディンガム、フィオナ・オシャーグネッシー、シアン・ベリー

<あらすじ>
寂れたスーパーマーケットで働くホリーは、同僚の青年ロブに恋心を抱く。
ロブは恋人ニーナを交通事故で亡くして以来ふさぎ込む毎日を送っていたが、ホリーの優しさに次第に惹かれるようになり、やがて2人はついに結ばれる。
ところが、突如として2人のベッドが大量の血で染まり、死んだはずのニーナが出現。自分が死んだことに気づいていないニーナは、新しい恋人を作ったロブに怒り狂う。
信じられない状況にその場を逃げ出すホリーだったが、どうしてもロブのことが忘れられず、数日後に再び彼のもとを訪れる。そして、またしてもベッドに現われたニーナに、ホリーはある取引を持ちかける。

感想

75 100点満点 scored by ultimate-ez死の恋人ニーナ

というわけで、かなり想像以上の満足度だった本作『死の恋人ニーナ』。
まずは冒頭から引き込まれる映像力!
静止画かと見紛うかのような冒頭の事故現場のカットから倒れている男が動き始めるまでの息もできないような緊張感は、“この映画普通じゃないですよ”感がビンビンです!

倒れていた男は、交通事故で恋人に先立たれたロブ。
事故後何度かこういう事故を起こしているようで、身体中に生傷が絶えません。
まわりからは「あいつは後追い自殺しようとしてる」と思われますが、そんな中「後追い自殺されるほど愛されるってステキ」と変なスイッチが入ったのが本作の”人間サイド”のヒロイン・ホリー。
ロブにアプローチをしかけ(アプローチシーンのザクロを貪り食うシーンも汚いんだけどエロい感じで「いいね!」)、徐々に距離が近づいていきます。
生に執着のないロブが交通量の多い道路を歩いて渡るシーン、そのドキドキ感にさらに興奮を高めるホリー。
「ヤバい!でもそこに魅かれる!」という吉良吉影と入れ替わった後の川尻浩作に魅かれていく川尻しのぶ(©ジョジョの奇妙な冒険第4部『ダイヤモンドは砕けない』より)的に気持ちは高まっていきます。
そしてなんだかんだでお互い魅かれあい、ついにベッドイン!

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と、ここからの映像演出、最高でした。

行為をしているとベッドが次第に血だらけに。
「あ、そこ気持ちいい」「え、俺触ってないよ」というアホな会話の後に、ロブの元カノ・ニーナ登場です。
血まみれ&傷だらけ。
メイクもボロボロで体グネグネ。
交通事故死体のままの姿でベッドの中から這い出てきました。

元カノと言いつつもきちんと別れたわけではなく死別だったのでニーナはまだ彼女気取り。
超上から目線で、「出ていきなさいよ小娘」的なテンション。
生身の女同士との三角関係のドロドロ感とも違うし、幽霊として出てきて呪ってやる的な感じもなく、のらりくらりとロブとホリーとの言い合いを制すニーナのキャラクターがなかなか強烈。

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あまりの出来事に、出て行ったホリーを追いかけることもできず、ニーナとまともに向き合うこともできず立ち尽くすロブ。
翌日血まみれのシーツをランドリーに持ち込むも不振がられて焦って捨てたり、ビチョビチョのマットレスを一人で片づけるロブの姿は悲惨ながらも笑えてきます。
(てか、一応幽霊として登場したのに、大量の血は残るのね。しかもこの大量の血は、ニーナ登場の度に毎回まき散らされます。こりゃー大変。)

そんなこんなで結局うまくいかなかったロブとホリーですが、なんだかんだで本気で惹かれあっていた二人。
やっぱり忘れられないわとロブの元にホリーが戻るカタチで、また距離が近づいていきます。

そこから始まる奇妙な3人の生活。
やっぱり夜の営みの度にニーナが登場するものの、それを受け入れるホリー。
ちょっとレズっぽいこともしながらニーナを成仏させようと奮闘しますが、「私死体だからそこ触られてもイケないわ」という冷静なツッコミが帰ってくるだけで成仏しないニーナ。
しかも、今まで何とも言えない距離感で付き合いを続けていたロブとニーナの両親との関係性もからんできて人物関係はゴチャゴチャに。
(まああれはロブの空気読めなさがヤバすぎるけどね。)
ホリーの精神状態も壊れ気味で「ほんとにニーナを忘れて私と付き合うんならここで私を抱きなさいよ!」とばかりに、ニーナの墓の上でセックスしたりとクレイジーな方向へと暴走する二人。
ちなみにホリーの腰にはロブが彫っていたのと同じ「ニーナを忘れない(Nina Forever)」というタトゥーも彫られています。
うーん、クレイジー!

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と、そんな感じで関係を続けていた二人ですが、やはりニーナの存在が付きまとう異常な関係には無理があり、結局別れを迎えます。
でも、ホリーを忘れることができないロブ。
もう一度やり直そうとホリーの部屋を訪ねます。

復縁を迫るロブと玄関に立つホリー。
ホリーの背後にはホリーの部屋があり、そこにはベッドが。
そしてそのベッドには血まみれのニーナ!
どういうこと?ニーナがとりついていたのはロブじゃなくホリーの方だったの!?という衝撃の展開を迎えたところでエンディングを迎えます。

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ホラーかと思わせておいて、シニカルなコメディーで。
さらに家族との関係なんかも含めた広義の”愛”を含むラブストーリーに展開していったかと思えば、若者の別れ→復縁の雰囲気は青春映画の雰囲気で…
と思っていたところにこの落とし方。
なんなんですか、この切れ味!

ニーナ登場シーンを筆頭に印象に残るカットもとても多い映像表現に長けた映画でありながら、ストーリー展開は実に文学的。
なんというか超インテリジェントな映画でした。

こういう映画との出会いがあるからこそ、TSUTAYAのわけわからん映画のコーナーを漁るのをやめられないんだよなーと思える発掘したかいのある映画でした。
あと、冒頭にも書きましたがホリーを演じたアビゲイル・ハーディンガムさんがかわいくておっぱいもキレイで、そういう意味でも満足度の高い映画でした。

という最後の一文は書かなくてもよかったなーと思いながらも、言及せずにはいられない素晴らしい魅力でしたよ!

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