設定ガバガバのうえに”予算尽きた感”満載のラストがひどい 映画『400デイズ』ネタバレ感想

400デイズ [DVD]

DVDのパッケージを見ると、ワンシチュエーションスリラー+SFな設定とオシャレなビジュアルに魅力を感じて手にした本作『400デイズ』。

そこそこに期待をこめての鑑賞だったんでが、冒頭10分くらいで出るわ出るわのツッコミどころ。
SFなのかホラーなのかサスペンスなのか不明なミックスジャンル映画という意味では先日見てまずまず満足度の高かった映画『7500』と似たジャンルとも言えるんですが、こちらの『400デイズ』の場合はそれぞれのジャンルの要素がメリハリなく混ざっていて、結局どこにも落とし所をみつけられずに雑に終わってしまうのが残念。

なんでしょう、計画だけは素晴らしいんだけど走り出したらマネジメントがうまくいかず、結局普通以下の結果しか出せないプロジェクトの終わりを見ているような気分になる映画でしたよ。。。

作品概要

2015/アメリカ 上映時間:90分
原題:400 Days
配給:[MDGP]上映委員会
監督:マット・オスターマン
出演:ブランドン・ラウス、ケイティ・ロッツ、ベン・フェルドマン、デイン・クック

<あらすじ>
地下施設で400日間を過ごすプロジェクトに参加した4人の宇宙飛行士。200日目、彼らは本部へのメッセージが届かなくなっていることに気づく。やがて、4人は次々と幻覚を見はじめる。373日目、外からハッチを叩く音が聞こえてくる。彼らはプロジェクトを中断して地上へと出るが、大地は荒れ果てており、周囲には誰ひとり見当たらない。さらに空気中に地球に存在しないはずの物質が含まれていたことから、彼らは核戦争やエイリアン襲来によって人類が滅亡したのではないかと疑うが……。

感想

10 100点満点 scored by ultimate-ez400デイズ

というわけで、なかなかの残念映画だった本作『400デイズ』。

ストーリーはあらすじのとおり、宇宙旅行の訓練として実験施設で400日間の共同生活を送る4人の話。
まず、びっくりなのがこの訓練施設が屋外(しかも普通の公園みたいなとこ)の地下にあって、入口が野ざらしってとこ。
しかも後々わかることですが排気ダクトなども普通にその辺につながっているようで、全然隔離空間になってないんです。

さらにこの選ばれた4人も選ばれし宇宙飛行士と呼べないような非エリートのポンコツだらけ。
主人公に至っては実験の前日に泥酔して事件を起こしているようなやつ。
しかも泥酔の理由が彼女に振られたから。
しかもその彼女ってのが4人のメンバーの中の一人っていう。

もう、なんでしょう。ちょっと前に『オデッセイ』を見たばかりだからかもしれませんが、宇宙開発に関わる人たちって宇宙飛行士も地上のスタッフたちもスーパーエリートたちなんですよ。
もう、民間の宇宙事業の逆ステマなのかってくらいに雑な設定にのっけから嫌な気がしてきました。

Original

その後実験は進みますがすぐに地上との交信が途絶えてしまいます。
これが実際のトラブルなのか実験の一環なのか迷いながらも生活を続ける4人。幻覚見たり、揉め事があったりしながら373日目をむかえます。
ただ、ここも映像として時間の経過を全く感じないのがよろしくない…。
これまた『パラドクス』という映画でみた”密室の中で過ぎた37年間”の見事な映像表現を最近見たばかりだからなのかもしれませんが、「◯◯日後」っていうテロップ表示だけじゃなくて4人になんらかの一目でわかる変化があると良かったんですが、それが何もない。
だから不安定なまま日数だけが過ぎていき4人がおかしくなっていくことに全くリアリティーを感じませんでした。

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そんなこんなで373日目。
実験室内に一人の男が侵入したことから物語は動き出します。

見るからに”異常”な侵入者、、、なんですが、その異常性も特に何か機能するわけではなく。ただ外でやっぱり何か異変が起きたんだってことで4人はあっさりと実験室を脱出します。
(一応、「400日以内に逃げると宇宙行きなし」みたいな決まりがあるので一悶着はあるんですが、本当に「はい、一悶着しましたよ。」という感じのあっさりとした悶着でした。)

外に出るとあたりは草木のない荒地に。荒地の砂の成分を調べると、地上には存在せず、月の石に含まれているはずの成分が見つかります。
これはただごとじゃないぞってことでその後もまわりを探索する4人。(ちなみにここでも完全に無計画に歩き回ります。水や食料なども気にせずに…。)
やがて営業中の食堂を見つけ、怪しみながらも状況を知るために店内に入ります。
明らかに怪しい店主や客たちと話すと、なんと「何かが月にぶつかり月が崩壊」「その破片が地上に降り注いで今こんな感じ」とのこと。

うーん、スケールはでかいしおもしろい設定ではあるけど、それが原因で4人が実験室に放置されるってのはよくわかりません。

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そうこうしていると、まったく意味がわからないんですが、なんかしら街の人たちに襲われ始める4人。
そんな中それぞれ勝手気ままに行動するもんで二人とはぐれ、主人公と元カノの二人だけになってしまいます。
そこで語られるのが破局の原因。
どうやら元カノが主人公を振ったのは二人の上司の差し金だったらしい。
“密室生活の実験を行ううえで、あらかじめトラブルの火種を仕込む”みたいなことだったんでしょう。
まあ、グズグズの展開の中でそんな話されても「ふーん」って感じです。

その後、二人で実験室の中に戻り、襲いかかる町の人たちに二人で対抗していると、、、急に実験室の巨大モニターが点灯。
二人の上司だった男の映像が流れ「400日間の実験終了」を伝えます。
それを眺める主人公と元カノの二人。
「はたして周囲の様子や街の人の異常は真実なのか?それとも、すべてが実験の一部だったのか?」という含みを残して唐突に映画は終わります。

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という感じで、ほとんどの事象について説明は無し。
真実も謎のまま。
含みのある終わり方と言えば聞こえは良いですが、実際の印象は「マルチエンディングのゲームのバッドエンド」を見ているような感じ。
「は?」という言葉しか出てきませんでした。

最初の設定が面白そうだっただけに、この何も情報がないエンデイングには不満しかありません。

いや、エンディングが「これは真実だったのか?実験の一部だったのか?」という含みを残すのは全然アリですよ!
でもそれだったら”どちらともとれる”ためのいろんな情報の断片を見せて欲しいんですよ。
でもこの映画は全部が中途半端なので”どちらとも取れる”というより、完全に”どっちでもいい”んですよ。
投げやりなんですよ。
住人たちの行動や、最後の上司の映像に、「真実がこうだったら、これはこういう意味だったんだ」みたいな意味づけが欲しいんですよ。もう!

というわけで、いつもの習慣として感想書いてますけど、なんかもう細々つっこむのもめんどくさいなーって感じで、今日の感想は雑に締めたいと思います。
おつかれ!!