近々飛行機に乗る予定がある人は見ないでください 映画『7500(ナナゴーゼロゼロ)』ネタバレ感想

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「富江」「呪怨」といったJホラーのクラシック作品を手がけた鬼才清水崇。
そんな清水監督のハリウッド作品の第3弾となる本作「7500(ナナゴーゼロゼロ)」。
飛行中の旅客機という”密室”を舞台に、パニックホラー?ゾンビ系?心霊・怨霊モノ?と、さながら行先不明のフライトのように観客を乗せて自由に飛び回る映画でした。

後々冷静になって考えてみるといろいろとおかしなところやツッコミどころはあるんですが、航行中はそういう不満が気にならないくらい夢中になれる映画で。
「呪怨」に比べるとスッキリと腹落ちもするオチもあるので、後味も爽やか。
キャーキャー言いながら楽しんで、見終わったらスパッと忘れる。
そんなエンターテイメント性の高いホラー映画でした。

「7500(ナナゴーゼロゼロ)」の作品概要

2014/アメリカ 上映時間:79分 G
原題:7500
配給:プレシディオ
監督:清水崇
出演:ジェイミー・チャン、レスリー・ビブ、ジェリー・フェレーラ

<あらすじ>
様々な事情を抱えた乗客を乗せ、ロサンゼルスから東京に向かって飛び立ったヴィスタ・パシフィック航空のジャンボジェット7500便。飛行中、突然の乱気流に襲われて機体が激しく揺さぶられ、乗客は一時パニックに陥る。やがて乱気流はおさまるが、今度は乗客のひとりが苦しみだし、血を吐いて絶命。それをきっかけに機内では謎の死が相次ぐ。怪異現象に襲われながらも飛び続けるしかない7500便の機内は、異様な様相を呈していく。

感想

60 100点満点 scored by ultimate-ez7500

あんまり深く吟味してしまうとちょっときになるところは出てくるものの、上質なエンターテイメントホラー&パニック&サスペンスだった本作。
注意点としては飛行機に乗るのが嫌になること。
僕は、そんなに頻度は多くないものの年間数回は飛行機を利用するくせにこういう飛行機の事故映画大好きなんですよね。
「ファイナルデスティネーション」を観た直後はさすがに飛行機に乗るのが本当に怖くなっちゃって東京→福岡を往復ともに新幹線を使う羽目になった、なんていう失敗もありつつも、それでも飛行機の映画は観るのをやめられません。
「フライト」とかも最高でしたよね。

<参考:“正しい生き方”へ。男の人生が今、胴体着陸。 映画『フライト』ネタバレ感想

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7500の場合、いきなりド派手に大事故とならないのもまた素敵。
まずは乗客の一人の男が突然死するところから物語は動きます。
呼吸困難になってから血を吐いてそのまま心臓停止。
死亡してしまったもんだから緊急着陸とはならず、死体を布で覆ってシートに座らせてそのままフライト続行(もちろん、死体のまわりに他の乗客がいないように席替えは行いますが)。

まず、これが怖いですよね。
飛行機ってめちゃめちゃ安全な乗り物なので実際事故はそうそう起きないんですが、機内で死人が出るというシチュエーションは事故に比べれば全然起こりうる話。
実際のところこういうケースってどう対応するものなんでしょうか。
亡くなった人には申し訳ないですが、”機内に死体がある”ということを意識しながらのフライトって、なんとも言いようのない不安感にさいなまれそうです。

その後、飛行機は乱気流の影響で激しく揺れ、機体に傷がついたせいで気圧が低下という事態に。
座席上部から酸素マスクが飛び出します。
これもまた絶妙なリアリティ。
それこそ「ファイナルデスティネーション」のような空中での大爆発みたいな事故ってまず起こらないと思ってますが、国際線に乗ると救命胴衣の着用方法や酸素マスクの使い方って毎回説明されるので、なんとなく起こってもおかしくないようなレベルの事故に感じてしまいます。
機内での乗客の死亡・機体の急降下と気圧減。
ほどよく起こりそうなこの危機のリアリティーがまず本作の怖いところです。

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と、ここまではいわば”パニック映画”の文脈なんですが、その後、機体が危機を脱してからは徐々に”ホラー”の文脈に。
死んだはずの男の死体が動いたり。機内から人が消えたり。
不可解な現象が続くんですが、それらの現象の原因が、どうやら最初に死んだ男にあるということがわかってきます。
乗客と乗務員は男の荷物を探るんですが、男が大事に機内に持ち込んでいた荷物はいかにも怪しげな木箱。
その木箱をこじあけると中には君の悪い人形が入っています。
乗客の一人が言うにはこの人形は「死神」。(英語でもShinigamiと発音されていました。)
死神は「この世に未練を残している人間をあの世に連れていく精霊」と説明されます。(アメリカは唯一神の国なので死神は神ではなく精霊と訳されているようです。)

死神人形というキラーアイテムも登場し、いよいよ映画は本格的なホラー映画へ。
今の所”血”は一滴も流れていませんが、いかにもJホラー的な演出とカメラワークと照明効果で、いい感じに怖い!!

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と、ここから死神の呪いを解きつつ生還の道を探す…と思いきや、本作はここでさらにもう一展開。どんでん返しを見せるのです。

(※映画未見の方は以下は自己責任でごらんください。がっつりネタバレです。)

本作のオチ。
それは、実は乱気流での気圧減で機内の乗客乗員が全員死亡していたというもの。
その後男の死の真相を探していた乗客乗員たちはみないわば幽霊。
劇中の言葉を借りれば「この世に未練を残し、あの世へ行けていない者たち」だったわけです。
確かに事故後に積極的に動き回っていた乗客乗員たちはみな何か解決しなければいけない問題を抱えていた人たち。
男の死を探すというのは名目で、実はそれぞれが解決すべき問題を解決していました。
そして、それぞれの問題が解決したからこそ、乗客たちの前に”死神”が現れ、”真実”を明かし、あの世へと連れて行ったというわけです。
(じゃああの夫婦はなんだったんだろうっていうのはちょっと気になるところ旦那さんはちょっと不満を出してましたが、奥さん、あいつこの世に未練ないだろ!と、冷静に考えるとちょっとおかしなところは出て来ますよねー。)

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よく考えると途中からおかしなところが結構あって、しかもこのオチって言ってしまえば「シックスセンス」ですよね。
だからこの映画も最初に「この結末は誰にも教えないで下さい」なんて出されてたら、あのオチはバレバレだったと思います。
でも、最初はパニック映画風に、そしてホラー風にと攻めてこられたので、最後にまさかサスペンス的なオチがあるとは思いもしなかった。
そういう意味でも、この映画冒頭からのジャンル不明な雰囲気は素晴らしかったですね。

もう一つ追記しておくと、この映画をツタヤで借りたんですがブルーレイに貼ってあるタグに記載されている上映時間は90分。
実際の上映時間は76分。
これツタヤがたまにやるんですけど、再生時間に特典映像分の時間を足しちゃってるんですよね。
だから時間的にまだまだ続きがあると思わせておいて一気にオチへと急降下したので、まんまと騙されてしまいました。
そういう意味では、本作に関してはツタヤもいい仕事してますね!
(となると、空気読まずにネタバレを書いているこの記事は最悪ですけど。。。)

冒頭から書いているように、この映画ツッコミ入れようと思えばいろいろあると思います。
上記したあの”空気読めない奥さん”は果たしてこの世に未練があったのか?とか。あの男の意味深すぎる死に方とあの手荷物はなんだったのか、とか。

まあでも、言ってしまえばこの辺の要素はオチまで飛び続けるための燃料。フライトには燃料が必要なのですよ!
76分というかなり短い上映時間の中に、パニックとホラーとサスペンスとをギュッと詰めて楽しませてくれたこの映画、僕は大好きです!

まったくの余談ですが…

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本作の主要人物の一人であるアジア系のCAさん。
顔は全く似てないんですが、表情の作り方が柳原可奈子にそっくりで、なんかそこばかりが気になっていました。
柳原可奈子の誇張する感じのものまねって、アメリカの文化圏で育ったら結構普通の表現なのかもなー。。

iTunesで見る場合はこちら→7500(字幕版)

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