かっこいいけどカタルシスが足りねぇ 映画『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』ネタバレ感想

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最近はすっかり映画離れが進行中の私ですが、ご存知の通り今年の下半期は映画離れなんかしていられません!
アベンジャーズ2にピクサーの新作。ジュラシックワールドにターミネーター。そしてなんてったってスターウォーズ!!
まさに“当たり年”としか言いようのないハリウッド映画のお祭りイヤーですからね!

そんなお祭りのスタートを切るアヴェンジャーズ2こと『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』がついに公開になったので、早速観に行ってきました。
アベンジャーズを見るならやっぱりIMAXでしょ!ってことで、今年の4月にオープンしたばかりの二子玉川のIMAXにて初鑑賞。
最新施設だけあって、劇場はキレイだし、音響もすごく良くて、今までは川崎のIMAXにばかり行っていたんですが、「こっちの方がアツいかも!」と思える劇場でした。

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▲劇場前にはアイアンマンとソーが。アイアンマンは本作には登場しない”マーク42”ですけど…。

ただ、肝心の映画の内容については、正直ちょっと微妙…。
前作の『アベンジャーズ』、そして『アイアンマン3』のあまりの楽しさで期待値が限界値まで上がっていたのがよくなかったんでしょうが満足度が高いとは言えず、、、
一言で言うと「かっこいいんだけど、カタルシスが足りねぇ!」って感じでした。

『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』の作品概要

2015/アメリカ 上映時間:141分 G
原題:Avengers: Age of Ultron
配給:ディズニー
監督:ジョス・ウェドン
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・ヘムズワース、クリス・エバンス、スカーレット・ヨハンソン、マーク・ラファロ

<あらすじ>
アイアンマンとして何度も人類の危機を救い、だからこそアベンジャーズの限界を誰よりも強く知るトニー・スタークは、自分たちの手に負えない敵の襲来に備え、禁断の平和維持システムである人工知能「ウルトロン」を起動させる。
しかし、ウルトロンは「究極の平和」を実現するため、平和を脅かす唯一の存在である人類の抹消を選択する。
再び訪れた人類滅亡の危機に、アベンジャーズは人知を超えたウルトロンを相手に戦うことになるが……。

感想

52 100点満点 scored by ultimate-ezアベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン

というわけで、ちょっと物足りなさが残ってしまった『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』。
開始1分でいきなり見せ場があって、その後もかっこいいシーンはいくらでもあったんですが、全体的に言えるのは「思ってたんと違う!」ということ。
もちろん僕にとっての“思ってたん”なので超主観なんですが、いろいろと肩透かしをくらってしまいました。

まず、僕にとっての最大の肩透かしは、本作には「アイアンマンのかっこいいシーンが無い」というところ。
アイアンマンのかっこいいシーン。それはもちろん、スーツの着脱シーンなわけですよ!

『アイアンマン』であまりのカッコ良さに度肝を抜かれたスーツ装着シーン。
ちょっと駄作扱い気味の『アイアンマン2』も、モバイル型のマーク5の装着シーンには痺れました。
『アベンジャーズ』では、落下しながらのスーツ装着シーンもさることながら、スタークビルの屋上に設けられたスーツ解除装置のシーンがたまらなくかっこよくて!
そして『アイアンマン3』での脱いで着て脱いで着てのスーツ着脱祭り!
今作ではどんな着脱シーンを見せてくれるのかって期待しない方がバカってもんでしょう!!

それをまさかの肩透かし。
スーツを脱ぐシーンはあるにはあるんですが、かなり地味。
ハルクバスターとの合体シーンも期待していたんですが、それすら予想以上に地味でした。(戦い自体は派手だったけど。)
僕は世代的に戦隊ヒーローや勇者シリーズ、トランスフォーマーなどを見て育っているので、”強化合体”には目が肥えてしまっていたのかもしれません。でも、最低限ハルクバスターのマスクが装着されるまでに無駄にアイアンマンのマスクが外れてトニーの素顔が見えるとか、合体後にもアイアンマンの一部が露出しているとか、そういう”無駄だけどかっこいい合体の美学”が欲しかった!!

前作のエンドクレジット後の“打ち上げ”にも通じるパーティーのシーンで、ソーのハンマーを持ち上げようとする場面でのスーツの使い方も面白かったんですが、やっぱりアイアンマンのイノベーティブなスーツ装着シーンが見たかった!
S.H.I.E.L.Dの母艦「ヘリキャリア」の中とか、最後に登場する新設備の中とか、トニー・スタークなら絶対スーツの管理場所を作っていて、度肝を抜くようなスーツ着脱措置を作ってくれそうなもんだけど……
そうか!スーツ着脱装置が不要なスーツを発明しちゃってるからダメなのか。。。
うーん、これは今後にも期待できないのか…。

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「アイアンマンのスーツの着脱」というのは完全に僕の趣味の話なので、そこへの不満はあまり共感してもらえないかもしれませんが、本作では誰にとっても”最高にかっこいいシーン”が用意されていないように思えます。
前作『アベンジャーズ』が明らかにアイアンマンとハルクのための映画だったので、その反省を活かしたということなのかもしれませんが、本作は全キャラを同じ深さで均等に描いている印象を受けるんです。

前作でイマイチ目立てたなかったホークアイやブラックウィドウのファンにとっては、本作で彼らのキャラクターが深堀されていたことに満足できるのかもしれませんが、全員をフラットに描いているせいで作品全体としてはややメリハリを欠いた印象。
なんだかんだで「今回は○○が主役だったな!」と思えるバランスの悪さや偏りって、作品全体にリズムを生むためには必要で。
あまりにバランスを取り過ぎたあまり、盛り上がりに欠ける映画になってしまったんだと思います。

作中でホークアイが語る「戦えないなら戦わなくていい。だが、ここから外に出たなら、君もアベンジャーズだ」というセリフが本作の肝になっていて、アイアンマン、ソー、キャプテンアメリカがタッグを組んだもの=アベンジャーズというわけではないってことを本作で語っておく必要があったんだとは思いますが、そうは言っても3人の“最高にかっこいいシーン”が見たかった。
もっと言うと、前作では”あの3人が一つの画面の中に立っている”ということが自体が強烈なインパクトになったので、それを超えるインパクトのある画が見たかった。

そう思わずにはいられませんでした。

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また、本作が“盛り上がりを欠いている”理由として、さらにもっとも大きな要因となっているのが、前作に比べて「真面目」ってところにあると思うんです。
この感覚は、初めて「バットマンビギンズ」を観たときの感覚にとても似ているんですが、作品にリアリティを持たせ過ぎることで話に深みは増すものの、純粋な”面白さ”が損なわれてしまうことってあると思います。

「ヒーローとは何か?」「正義とは何か?」「アベンジャーズとは何か?」

物語に真剣に向き合った結果、そういう真面目な問いにぶつかるのは避けられないのかもしれませんが、そういう問いをアベンジャーズに求めている人が一体どれだけいたんでしょうか?
仮にそういう葛藤を描くことが必然だったとしても、『アベンジャーズ2』という立ち位置の映画にとって、それを“主題”として扱う必要は本当にあったんでしょうか?
少なくとも、僕が見たかったのはあくまで”お祭り”で、お祭りで活躍する男たち女たちの葛藤を描いたドキュメンタリー映画ではないんだよ!と思わずにはいられません
でした。

まあ、本作は『アベンジャーズ2』というタイトルではないし、来年以降に予定されている新作『アベンジャーズ: インフィニティ・ウォー Part1/Part2』への伏線をばら撒く映画でもあったので、あくまで次回作『アベンジャーズ2』へ向けた”幕間”映画と捉えることもできるわけで。
そこへ向けた「アベンジャーズとはこういう集団である」ということを提示するための映画だったとすれば、こういう描き方も正解なのかもしれませんが…。

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さらに、これはもうイチャモンに近い話になってしまいますが、本作に関して僕が前情報をシャットアウトしすぎたのも問題だったかな~と思っています。

最近の映画離れのせいもあって、キャプテンアメリカ、ソーの前作も見てないし、新キャラとして誰が登場するのかといった情報も全く入れずに見に行ったんです。
そうこうしていると、新キャラとして登場したのが「クイックシルバー」と「スカーレットウィッチ」!
そりゃもう、こちらのテンションとしえたは「X-MENキターーーーーーーー!!!」ですよ!
大人の事情でアベンジャーズには出れないと聞いてましたが、ファンの声が大人の事情を超えた!!と超盛り上がるわけですよ!
でも、X-MENには触れられず…。大人の事情、越えられず…。
ショックです。超ショックです。。。

さらに言うと、「ヴィジョンキターーーーーーーーーーー!!!」と思ったら、あのビジュアル。。(すいません、これはもう完全に言いがかりですね。でも、あんまりかっこよくなかったんだもの…。キャプテンアメリカなんて、あのヴィジュアルなのにかっこよく見えるように頑張ってたじゃない!ヴィジョンももう少しなんとかなんなかったんすかね…。)

というわけで、鑑賞中に盛り上がったテンションにも落としどころが与えられず、気持ちは完全に消化不良。
期待を上回るでも下回るでもなく、これぞまさに“斜め上”の方向に外されてしまったようなモヤモヤが残る結果となってしまいました。
うーん、やっぱりアベンジャーズには“有り余るカタルシス”を突き詰めてほしかった!

でも、サノスの登場やインフィニティストーンの登場でガーディアンオブギャラクシーの世界ともがっつり繋がったし、スカーレットウィッチやウォーマシーンやファルコンも正式にアベンジャーズに入りしたっぽいし、ソーやアイアンマンがこのまま引退するわけもないし!
次回作『アベンジャーズ: インフィニティ・ウォー』こそが『真・アベンジャーズ2』に違いない!ってことで、性懲りもなく今から期待値を全力で上げて置きたいと思います。

今度こそ、全力のお祭りカタルシス映画を待ってるぜ!