木!かわいいよ、木!! 映画『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』ネタバレ感想

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公開前から、ものすごいエネルギーと共に大絶賛の声が聞こえまくっていた本作『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』。
最近の僕は基本的に「映画を観るくらいなら早く家に帰って子どもと遊びたい」という想いが強く、できるだけ“気になる映画”を増やさないように気を付けて過ごしていたんですが、さすがに耳をふさいでおけないくらい絶賛の声がどんどん入ってきちゃいまして。
「これはもう我慢できん!」と、川崎のIMAXで観てきました。
4DX」での上映も行われていたようで、4DX初体験いってみようかな!とも思ったんですがタイミング合わずIMAXで我慢。「IMAXで我慢」なんて、我ながらクソ贅沢なセリフです。。。

結果としては確かに「サイコー!」だったんですが、IMAXで観てよかったかといえば、これはDVDで、というよりVHSか深夜のテレビで観たかったかも。
「ビデオやテレビで“も”よかった」ではなく、「あえてビデオやテレビ“で”観たかった」という感じです。
正直、「噂に聞いていたほどではなかったな。。。」というわずかなガッカリ感が無いこともなくて、『パシフィック・リム』『ゼロ・グラビティ』『GODZILLA(ゴジラ)』を見たときのような「今すぐIMAXへ急げ!!」的な大絶賛は出来ないんですが、「おもしろくてサイコーだった!」ってことは間違いなくて。

そうですね、近場で出来るだけボロくて小さくて埃っぽい映画館を探して、そこで観ることをオススメしたいです、はい。

作品概要

2014/アメリカ 上映時間:121分 G
原題:Guardians of the Galaxy
配給:ディズニー
監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、ブラッドリー・クーパー(声)

<あらすじ>
自らを「スター・ロード」と名乗り、いい加減な性格でプレイボーイなトレジャーハンターのピーター・クイルは、ある日、惑星モラグの廃墟で謎の球体「オーブ」を見つけ、盗み出すことに成功する。
しかし、そのオーブは銀河を滅亡させるほどの力を宿したパワーストーンで、暗躍する「闇の存在」が探し求めていたものだった。
オーブを狙う者たちに追われ、凶悪犯だけが収容されるという銀河一危険な収容所に入れられてしまったピーターは、そこで一緒になったロケット、グルート、ガモーラ、ドラックスと協力して脱獄。
たまたま利害関係が一致しただけで信頼関係もない5人は、内輪もめを繰り返しながら逃亡を続けるが、そんな彼らに「闇の存在」の魔の手が迫る。

感想

62 100点満点 scored by ultimate-ezガーディアン・オブ・ギャラクシー

というわけで、冒頭から褒めてるのかけなしてるのかわからないことを書いていますが、そうなんです。
自分でもよくわかってないんですよ。。。
良かったところはいっぱいあって、笑えたし泣けたしサイコーだったんですが、同じように「う~ん。。。」と思う部分もたくさんある映画なんです、コレ。

良かったところで言えば、何よりもまず音楽!
この映画のサントラは、70年代音楽の超有名どころ。
アーティストやタイトルは完璧にわかるわけではないけど基本的に全部の曲が「どこかで聞いたことある曲」で構成されていて。
未来的なものを描いたSF映画ではあるものの、そこに未来を感じるのではなく。
小さいころにビデオやテレビで観ていたSF映画を思い起こさせる”懐かしい映画”に仕上がっているのがたまりません。

やはり僕も30代になって、若いころには否定的だった“懐古主義のおっさん”になってしまったってことなのかもしれませんが、やっぱり小さいころに好きだったものっていくつになっても好きなもので。
この歳になるとリアルタイムで接しているものに対して実際にワクワクすることってなんかなか無いんですが、小さいころに感じていたワクワクした気持ちを思い出すことはできるからなんでしょうかね。
同時に感じる「もうあの頃のような純粋な気持ちには戻れない。。。」という切なさも込みで胸がギュっとなるこの感情を味わえたというだけで、もうこの映画が「大好きな映画」なのは間違いありません。

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ただ、公開直後に『高校生500円キャンペーン』を打ったり、「これは今の若い世代にとっての『スター・ウォーズ』たりえるエポックメイキングな映画だ!」みたいな評判も聞いていたりしたんですが、そこにはちょっと疑問が。。。
やっぱりどう考えてもこの映画って、若くても僕くらいの年齢(32歳)以上がターゲット。
あの音楽に反応する“おっさん”に向けられた映画なんですよ。
(どの曲も名曲なのは間違いないんですが、スターウォーズ、E.T、BTTFの音楽と並ぶ映画音楽になりえるかと言えばそれは絶対にないわけです。すでに懐メロである以上どうしてもね。)
そんなわけで、思わずサントラを買ってしまった僕が言うのもなんですが、音楽がサイコーだったけど、最高の映画音楽ではなかったのがちょっとモヤッとしてしまいました。
まあ、誰が言ったともしらない「今の若者にとっての『スターウォーズ』になる映画」という噂を真に受けてしまった僕に問題があるのかもしれませんがね。。
あたりまえですが、今の若者たちにはまる映画を決めるのは若者たち自身。おっさんたちが「この映画を観るべき!」と決めるものではないし、どうしてもそう言いたいのであれば、その時はやっぱり古典なり原典である『スターウォーズ』の方を見せた方がいいわけで、この映画ではないんじゃないかとおもうんですよね〜。。

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さて、良かったところを書いていたはずがいつのまにか不満を書いてしまっていましたが、改めてこの映画の良かったところを。
それはなんといっても主役「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」のキャラクター!
特に木!かわいいよ、木!!

みんなそれぞれが絶望を抱えていたりするものの、基本的には明るく前向きで。
そんな愛すべき負け犬たちが、手を取り、”仲間”となり、巨悪を打つ。
ベタと言えばあまりにもベタな展開ではありますが、これもまた「古き良きSF映画」を髣髴とさせる”おっさん”の胸を打つ良シナリオ。
負け犬たちが手を取り合い「今こそ立ち向かう時だ!」と宣言するシーンから、それぞれの持ち味を生かしてラスボスへの道をこじ開けて。
何度も負けそうになりながらも、みんなが捨て身で道をつないでいくシーンに心が震えます。

そして、最萌えキャラの木(グルート)のアレ!
そして唐突なダンスシーンを経て、文字通り”手と手を取り合って”のクライマックス!!
僕のオールタイムベスト映画『トイストーリー3』のクライマックスにも通じる、“仲間の絆”を強く感じさせるシーンに、心底グッときました。(グルートがいないのがめちゃくちゃ悲しくもあったけど。)

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ただ、ずっと気になっていたのが、「ロケットやグルートに比べてドラックスの存在感、ちょっと薄いんじゃない?」ってこと。
キャラクターのバックグラウンド的には重いエピソードを抱えているし、要所要所で物語を牽引している(やらかしも含めてね。)キャラクターであるにも関わらず、なんか印象に残りにくい。
というか、愛しにくい。
アメコミファンなら知っているエピソードや設定もあるだろうし、主人公ピーターの出生のエピソードみたいに続編に繋げるために小出しにしているエピソードも散見されるので、そもそも、この一作ですべてのキャラクターを等しく描こうとしていないってのはわかるんですが、それにしても監督のキャラクターへの愛の偏りを感じるような…。

さらに主役クラスですらそういう扱いだから、それ以外のサブキャラの描き方のあっさり度はさらにひどい。
本作でのラスボスにあたるロナンの居城でもある要塞ダーク・アスターですが、あまりにも「ヒーロものの悪役の部屋」という記号的で、キャラクターに深みを与える“背景”をまったく感じられないんです。
『スター・ウォーズ』をはじめとする名作SFって、映画内で描かれないエピソードや、描かれない背景全体の広がりを感じられる作品が多いんですが、この作品はそこがかなり弱い!
まあ、『ダークナイト』をはじめとする“リアル路線のヒーロー映画”へのカウンターとして、あえて記号的なキャラクターや記号的な舞台を用意しているのかもしれませんが、これもまた作品への愛を深めにくいな~と思ってしまいました。
そんな中、ヨンドゥだけは最高です。最後にピーターから渡されたアレの中身を確認した時のニヤリ顔、最高です!育ての親でも親は親。親子げんかの本気度は高くても、そこにしっかり愛と、ある意味での信頼関係が育まれていたことを感じさせてくれました。シブイぜヨンドゥ!泣けるぜヨンドゥ!!

さらに言えば、大絶賛の音楽ですが、あのカセットテープを編集したのはピーターのお母さん。
スター・ロードのキャラクターを成立させるための最重要キャラで、アバンタイトルの出来も含めてこの映画においてもかなり重要なキャラクターなんですが、ミックステープの編集があまりにも「THE・70年代のヒット曲集」すぎて、お母さんの個性を全く感じられないのもちょっと残念なところだったりしました。
いや、音楽としては正しいんだけど、一人の人間がほんとに趣味で音楽を選んだ場合、ここまで広く偏りなく持ってくるかな~というのが。。。
うん、これは揚げ足取りですね。
揚げ足取りついでに言わせてもらいますが、一応原作をちらっと読んでいた僕としては期待しちゃっていたんですが、トニー・スターク出らんのかいっ!!!

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というわけで、「サイコー!」と書いていた割に文句ばっかり書いてしまった今日の感想文。
いやー、おかしいなー。
楽しかったはずなんだけどなぁ。。

きっと本作は、感覚的には楽しいんだけど少し冷静に考えてしまうと“粗”が見えてしまうタイプの映画ってこと。
要は「頭カラッポにして深く考えないで楽しむべき映画」ってことなんでしょう。
そう、それこそ小さいころにビデオやテレビで映画を観ていた時って、そんな感じだったわけで。
ざっくりとした印象が「超サイコー!楽しかった!」だったんなら、その感覚こそを大事にしたいものです。

と、そんなことを考えながら帰り道パンフレットを読んでいると、、、
超いまさらなんですが、この映画の監督ってジェームズ・ガンだったの!!!
冒頭にも書いたように最近は面白そうな映画の情報を入れないように過ごしているので、恥ずかしながらそんなことすら知らなかったんです。。。
ジェームズ・ガンといえばあの傑作『スーパー!』の監督。
「あ、なんかこの映画『キック・アス』っぽ〜い。面白そ~。」と軽い気持ちで観た僕の頭をぶん殴る激烈な映画で、間違いなくヒーローものの映画の中でも最高傑作クラスに素晴らしい映画だった、あの『スーパー!』の!
うーん、ジェームズ・ガン監督の映画だと知ってしまうとこの映画、やっぱりますます物足りないな〜と思ってしまいます。

ほっこりとノスタルジーにひたりながら「いやー、映画って本当にいいものですね~」なんて思っている僕の頭をガツンとぶん殴るような一撃が欲しかったかなぁ。。。