東京国立博物館で開催中の『栄西と建仁寺』展は、デザインに関わる仕事をしている人は必見の展覧会だった!

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今年の頭に決めた「死ぬまでにしたい100のこと」の一つに、「「死ぬまでに見たい絵」を全部見る。」という目標がありまして。
死ぬまでに見たい100の絵画」というリストを作ったんですが、そのリスト掲載の絵画が現在公開中ということで、上野の東京国立博物館に行ってきました。

子どもが生まれてからはなかなか行く機会のなかった上野ですが、天気もいいしパキスタンフレンドシップフェスティバルなんてものも開催されていたりして。

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渋谷や原宿や六本木や麻布なんかとはまた違った意味で、やっぱり上野は魅力的な街!
改めて、「上野動物園」からの「科学博物館」コースで、子どもと一日上野堪能プランも計画したくなりました!

僕が死ぬまでに見たかった絵、それはコレ!

俵屋宗達の『風神雷神図屏風』。
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美術にまったく興味が無い人でも日本人でこの絵を知らない人はまずいないだろうと思えるような、超弩級の有名絵画。
正直、日本画に関してはどの絵にどういう価値があるのかという知識に乏しいんですが、それでも感動せざるを得ない説得力のある絵でした。

実際に“死ぬまでに見たかった絵”を見て思ったこと

その他の屏風図や襖絵などにも通じることですが、“余白”の取り方がスゴい!というのが一番の印象。
屏風自体の大きさは、風神も雷神も共に160cm×170cmくらいの大きさなんですが、風神雷神が描かれているのは面積で言えば1/4くらいのエリア。
それ以外には何も描かれていません。
建仁寺が禅寺ということもあり、調度品である屏風などにもその「禅」の精神が取り入れられているせいなんでしょう、『風神雷神図屏風』などは、これでもまだ絵の面積が多い方で、もっと“余白“が大胆に使われた屏風画も多数ありました。

僕はまだまだ「禅」という言葉の意味を全然理解できてないんですが、少なくとも、その「禅」の影響を受けて作られた絵画を見て思うことは、これって今のデザイントレンドに通じるものがあるということ。
Apple製品の流行に伴い「余白を活かしたデザイン」はここ数年の流行だし、過度な装飾をそぎ落としものの本質を描こうとする姿勢もフラットデザインなどとの共通性を感じます。

西洋絵画だと、キャンバスをそのまま残している絵画って極めて少ないと思うんですが、水墨画では何も塗られていない面があるのはそれほど珍しくはない表現で。
そういう東洋の歴史的なデザインが、2013-2014の世界的なデザイントレンドに近いってのがすごく面白い!

そうやって見てみると、「風神雷神図屏風」もデザイン的に超キレイ。
左右の対称性もバッチリだし、風神が「緑の身体に白の装飾品」なのに対し、雷神が「白の体に緑の装飾品」なのも、すごくバランスが良い。
共通性と相違性が心地よく散りばめられていて、すごくよくできたデザインです。

いやー、今現在デザインにかかわる仕事をしている全ての人(とまで言うと大袈裟ですが、、)に必見の展覧会ですよ、これ!

「温故知新」「古きを訪ねて新しきを知る」なんていう言葉がありますが、400年近くも前の絵画を見ることで、現在のデザインにつながる刺激を受けるとは思いもしませんでした。
あらためて、たまにはこうやって美術館や博物館に足を運ぶことって超大切だなぁ、と考えさせられます。
そして、そういう刺激をいつでも好きなだけ受けれる「東京」という街はやっぱりすげーや!

『栄西と建仁寺』でグッと来たその他の絵

海北友松の『雲龍図』。
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隅のにじみを活かした表現がかっちょいい、阿吽の龍。
それぞれ横幅が6〜7メートルほどあり、超でかい!!
展覧会中でも、バツグンの存在感でとにかくインパクトがありました。

伊藤若冲の『雪梅雄鶏図』。
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国宝・重要文化財が並ぶ展示会において、その中でもひときわ異彩を放っていたこの絵。
やはり、伊藤若冲という天才の天性のセンスがビンビンで、やはりその絵に引き寄せられるように人だかりができていました。
どの国、どの時代においても、やっぱりこういう“ぶっ壊れ性能“といいたくなるような才能の持ち主って現れるもんなんですね。。

長谷川等伯の『松に童子図襖』
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この絵をポンと掲載してもスゴさが伝わりにくいとは思いますが。。これぞ「余白デザイン」「フラットデザイン」の極地という削ぎ落とされた表現が衝撃的な作品。
この画像にはありませんが、続きの襖など、前景の岩も完全な立方体として描かれていて。
それこそ「キュビズム」などに通じる美術表現すら感じ、これが17世紀に描かれたなんて本当に信じられない作品でした。

他にも感動したのが照明の使い方。
本展覧会では栄西をはじめとしたお坊さんの「坐像」の展示が多かったんですが、その「坐像」に対する照明の当て方が超キレイ!
「瞳」に下から光を与えることで、反射により生きているかのような輝きがあり。
木彫の坐像がほとんどだったんですが、眺めているうちに、だんだんと気持ち悪いほどの生々しさを感じてきちゃって。。
そして、その生々しさ展示会場自体になんともいえない厳かでちょっと不気味な雰囲気を生んでいました。

そんな感じで、「風神雷神」以外にもかなり見どころのある展覧会でした。

さらに、、、

上記『栄西と建仁寺』の展示会は国立博物館の平成館で開催されているんですが、4/8以降、本館の日本ギャラリーで、尾形光琳が模写した『風神雷神図屏風』が展示されています。
宗達の風神雷神と光琳の風神雷神が同時に見れるのは6年ぶりとのこと。まあ、僕は隣同士に並んでいて見比べられるのかと思っていたんですが展示場所すら違った。。。

ちなみに、この「日本ギャラリー」は、その他の展示を見た人であれば自由に見ることが出来るエリア。
国宝・重要文化財が多数展示されているギャラリーであるにもかかわらず、一部の展示品を除いて写真も撮れるエリアです。
さすがに国宝や重要文化財で写真OKはほぼ無いけど。。

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※黒電話は美術品ではなく、普通に使える電話のようです。

そんな実質の無料ゾーンに風神雷神!
「模写」とはいえ重要文化財の一品ですよ!

ちなみに、この絵には「写真NG」の表記はなく、写真を撮ることもできるようでしたが、今は常に誰かがベタ付きで鑑賞しているため、まともに写真を撮ることは出来ませんでした。まあ、そもそもiPhoneしか持って行ってなかったので大した写真は撮れないんですが。。

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というわけで、「死ぬまでにみたい絵」を堪能できた『栄西と建仁寺』展。
先週から国立博物館の本館では、キトラ古墳の極彩色壁画を展示している『特別展 キトラ古墳展』が開催されており、そちらが大人気のためなのか、『栄西と建仁寺』は想像していたほどの混みはなく。
また、『風神雷神図屏風』の掲載位置が展覧会の最後のため、風神雷神の周りも思ったほど混雑はしていません。
美術展・博物展は入り口周辺が一番混むので。。

GW明けまであと3週間ほどの開催期間しかありませんが、行ける人は行った方が絶対にイイ!と断言しておきたい、超重要な展覧会でした。

今回、自分の日本絵画に関する知識の無さを実感したので、勉強したい。。

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