「映画の感想を綴ったブログです」なんていう説明をしているブログのくせに、最近は育児モードのためめっきり映画館には行ってなかったり。
それならばちょっと違ったアプローチで映画と関わってみようということで、今月の課題図書は映画本を。
ということで、映画史におけるキーとなる技術や表現、それから映画史における重要人物をまとめた本書『映画史を学ぶクリティカル・ワーズ』を読んでみることにしました。
もちろん、「映画のことをもっと知りたい」という目的で読む本ですが、“裏テーマ”的な意味も。
最近、『Vine』を筆頭に動画アプリが世界的なブームですが、そこで人気になっている動画の中には、プチVFXとも言うような、映画黎明期のVFX技法を使った動画が散見されます。
単純なコマ撮りアニメーションや、編集による物体の消失や出現。中にはCGで造られたSFっぽいメカやモンスターを動画に合成するアプリなんかもあります。
映画の技術や表現としては古いものでも、見せ方によっては今だからこそ“新鮮”に映るものはいろいろあるようで。
それを「動画アプリ」として作ってみたら結構面白いアプリになったりするのかな〜なんてことも考えていて。
「アプリのネタ探し」という観点でも、参考になることが多そうな本書を、今月の課題図書にしたいと思います。
『映画史を学ぶ クリティカル・ワーズ』の目次』
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映画史を学ぶ クリティカル・ワーズ【新装増補版】 村山匡一郎,奥村賢,西村安弘,濱口幸一,岡村民夫,石原陽一郎,渡邉大輔 フィルムアート社 |
- 第1章[1895年まで] 映画の誕生前夜、「動く映像」への試作期|村山匡一郎
- 事項
- 映像
- イメージ
- 工学理論
- 影絵
- カメラ・オブスクーラ
- レンズ
- ファンタスマゴリア
- 連続写真
- ゾーイとロープ
- ジオラマ
- テアトル・オプティーク
- キネマトスコープ
- 人名
- ジョンヴァニ・バティスタ・デラ・ボルタ
- アタナシウス・キルヒャー
- ジョゼフ・プラトー
- エドワード・マイブリッジ
- エティエンヌ・ジュール・マレイ
- エミール・レイノー
- ジョージ・イーストマン
- ルイ・エーメ・オーギュスト・ル=プランス
- トーマス・アルヴァ・エジソン
- リュミエール兄弟
- 1890年代の必見映画15
- 第2章[1895…1900年代末] シネマトグラフの誕生、「驚き」から「物語」へ|村山匡一郎
- 事項
- 初期映画/表象モード
- トリック映画
- バザールの惨事
- 聖書映画
- ブライトン派
- クロース・アップ
- ショット
- 初期興行/映画館
- ニッケルオデオン
- 1コマ撮り
- フィルム・ダール
- 特許戦争
- 人名
- ロバート・ウィリアム・ポール
- ジョルジュ・メリエス
- エドウィン・S・ポーター
- シャルル・パテ
- フィルディナン・ゼッカ
- レオン・ゴーモン
- アリス・ギイ
- 稲畑勝太郎
- 駒田好洋
- 1895…1900年代の必見映画30
- 第3章[1900年代末…1910年代] パテ社、MPPCなど産業システムの始動期|村山匡一郎
- 事項
- 初期の映画論
- 第七芸術
- パテント・カンパニー
- ハリウッド
- ジャンルの誕生
イタリア史劇
- ディーヴァ
- 第一次世界大戦
- カリガリズム
- 弁士
- 純映画劇運動
- 人名
- デイヴィッド・W・グリフィス
- トーマス・H・インス
- マック・セネット
- メアリー・ピックフォード
- エルンスト・ルビッチ
- ヴィクトル・シェーストレム
- マックス・ランデー
- ルイ・デレック
- 牧野省三
- 帰山教正
- ヒューゴ・ミュンスターバーグ
- 1900…1910年代の必見映画30
- 第4章[1920年代] 夢の工場、アヴァンギャルド、モダニズムの高揚期|奥村賢
- 事項
- フォトジェニー
- リズム論
- モンタージュ理論
- 映画眼
- クレショフ効果
- トーキー宣言
- サイレント映画の表象モード
- メジャー体制
- スター・システム
- アヴァンギャルド映画
- 絶対映画/純粋映画
- トーキの到来
- 松竹蒲田のモダニズム
- 映画雑誌
- 人名
- チャールズ・チャップリン
- アベル・ガンス
- マルセル・レルビエ
- セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
- ジガ・ヴェルトフ
- ルイス・ブニュエル
- フリッツ・ラング
- フリードリヒ・W・ムルナウ
- ジャン・ヴィゴ
- ベラ・バラージュ
- ロバート・フラハティ
- ジャン・エプステイン
- 1920年代の必見映画30
- 第5章[1930年代] 無声映画からトーキーへ、夢と現実の交差|奥村賢
- 事項
- 古典的ハリウッド映画
- 複製芸術
- ミュージカル映画
- ギャング映画
- テクニカラー
- ヘイズ・コード
- イギリス・ドキュメンタリー映画
- 詩的リアリズム
- ナチス映画法
- 亡命者のハリウッド
- 文化映画
- 人名
- ウォルト・ディズニー
- バズビー・バークリー
- ジョン・フォード
- ジョン・グリアスン
- マルセル・カルネ
- ジャン・ルノワール
- マルセル・パニョル
- レーニ・リーフェンシュタール
- 小津安二郎
- 溝口健二
- ポール・ローサ
- ルドルフ・アルンハイム
- 中井正一
- 今村大平
- 1930年代の必見映画30
- 第6章[1940年代] 戦争下のプロパガンダ、国策映画時代|西村安弘
- 事項
- カメラ=万年筆
- フィルモロジー
- プロパガンダと映画戦
- コンバット・カメラマン
- ハリウッド・テン
- フィルム・ノワール
- ネオレアリズモ
- 植民地映画
- 満映
- 東宝争議
- 人名
- アルフレッド・ヒッチコック
- フランク・キャプラ
- ハンフリー・ボガード
- オーソン・ウェルズ
- ロベルト・ロッセリーニ
- ルキーノ・ヴィスコンティ
- アンリ=ジョジュル・クルーゾ
- ジャン・コクトー
- キャロル・リード
- ヨリス・イヴェンス
- 李香蘭
- 亀井文夫
- ジークフリート・クラカウアー
- 1940年代の必見映画30
- 第7章[1950年代] 娯楽王国の変調、ハリウッド・システムの凋落期|濱口幸一
- 事項
- B級映画
- SF映画
- ホラー映画
- ニューヨーク派
- 雪解け
- アンダーグランド映画
- イギリス・フリー・シネマ
- テレビの脅威
- 映画祭
- 「カイエ・デュ・シネマ」誌
- 人名
- マリリン・モンロー
- ジーン・ケリー
- ジョン・カサヴェテス
- アンジェイ・ワイダ
- ジョナス・メカス
- ルイ・マル
- ジャック・タチ
- ロベール・ブレッソン
- 黒澤明
- イジー・トルンカ
- アンドレ・バザン
- エドガール・モラン
- 1950年代の必見映画30
- 第8章[1960年代] 自由と新しい波の台頭、撮影所システムから離れて|奥村民夫
- 事項
- 作家主義(=作家政策)
- 映画記号学
- ランガージュとしての映画
- ポエジーとしての映画
- スペクタクル
- ヌーヴェル・ヴァーグ
- ダイレクト・シネマ/シネマ・ヴィリテ
- シネマ・ノーヴォ
- オーバーハウゼン宣言
- ニュー・アメリカン・シネマグループ第一宣言
- 撮影所システムの凋落
- アメリカン・ニュー・シネマ
- ラングロワ事件と5月革命
- ヴェトナム戦争
- 人名
- スタンリー・キューブリック
- イングマール・ベルイマン
- フェデリコ・フェリーニ
- セルゲイ・パラジャーノフ
- ジャン・ルーシュ
- アラン・レネ
- ジャン=リュック・ゴダール
- フランソワ・トリュフォー
- ピエル・パオロ・パゾリーニ
- グラウベル・ローシャ
- 大島渚
- 小川紳介
- 松本俊夫
- 1960年代の必見映画30
- 第9章[1970年代] ニュー・ハリウッドの誕生、香港、インド映画の台頭|濱口幸一
- 事項
- ソニマージュ
- フェミニズム
- 精神分析
- 視覚的快楽
- テクスト理論
- 第三の意味
- イデオロギー装置
- ニュー・ジャーマン・シネマ
- ポスト・ヌーヴェル・ヴァーグ
- 実験映画
- ポルノ解禁/レーティング・システム
- 映画学校
- カンフー映画
- ロード・ムーヴィー
- 日活ロマン・ポルノ
- 人名
- フランシス・F・コッポラ
- スティーヴン・スピルバーグ
- ジョージ・ルーカス
- ヴェム・ヴェンダース
- ベルナルド・ベルトルッチ
- アンドレイ・タルコフスキー
- テオ・アンゲロプロス
- ブルース・リー
- 寺山修司
- ウディ・アレン
- ジガ・ヴェルトフ集団
- ユルマズ・ギュネイ
- キン・フー
- リノ・ブロッカ
- ノエル・バーチ
- ピーター・ウォーレン
- 1970年代の必見映画30
- 第10章[1980年代] マルチプレックス化と多様なビジュアライゼーションの実験|石原陽一郎
- 事項
- ポスト・モダニズム
- シミュラークルとシミュレーション
- ニューヨーク・インディーズ
- ブラック・ムービー
- パニック映画
- 中国語圏映画
- ビデオ産業と衛星放送
- ミニ・シアターとシネマ・コンプレックス
- 角川映画
- ジャパニメーション
- 東西冷戦構造の崩壊
- 人名
- ジム・ジャームッシュ
- デヴィッド・リンチ
- スパイク・リー
- 候孝賢
- 張藝謀
- リュック・ベッソン
- レオス・カラックス
- アキ・カウリスマキ
- ペドロ・アルモドヴァル
- ピーター・グリーナウェイ
- ジャン=マリ・ストローブ
- クシシュトフ・キュシロフスキ
- トリン・T・ミンハ
- ジル・ドゥルーズ
- 1980年代の必見映画30
- 第11章[1990年代] 空前のインディーズ・ブーム、そして新しい世紀へ|石原陽一郎
- 事項
- 多文化主義
- ポスト・コロニアリズム
- デジタル理論
- イギリス・ルネッサンス
- イラン・ニューシネマ
- 韓国映画の躍進
- ドグマ95
- イスラムと華僑
- 個人映画
- CG技術
- フィルムとビデオ
- 日本映画の多様性
- 人名
- ケン・ローチ
- ラース・フォン・トリアー
- アッバス・キロアスタミ
- モフセン・マフマルバフ
- アレクサンドル・ソクーロフ
- フレデリック・ワイズマン
- クエンティン・タランティーノ
- 北野武
- 宮崎駿
- 押井守
- 1990年代の必見映画30
- 第12章[2000年代] 情報社会の幕開けとと液状化するリアリティ、ハリウッドの苦悩|石原陽一郎
- 事項
- 9.11とアメリカ映画
- インターネットと映画
- 3D映画の進化
- ドキュメンタリーの多様性
- ピクサー
- ニューメディア理論
- フィルム・コミッションとコミュニティ・シネマ
- テレビ局政策日本映画
- ルーマニア映画の台頭
- 東南アジア諸国映画の活況
- 文化芸術振興基本法と本映画の再生のための提言
- 日本の大学映画教育
- 若手女性監督の躍進
- アニメの成熟
- 人名
クリント・イーストウッド
- ガス・ヴァン・サント
- ウェス・アンダーソン
- ジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ
- ペドロ・コスタ
- 黒沢清
- ジャ・ジャンクー
- ジョニー・トー
- ポン・ジュノ
- ジャック・ランシエール
- 2000年代の必見映画30
- 第13章[2010年以降] 立ち上がるソーシャルとクラウド、デジタル時代の新たな地平|石原陽一郎
- 事項
- 3.11と日本映画
- クールジャパンと日本映画の世界戦略
- フィルムの終焉と興行の変化
- デジタル・リマスター
- ソーシャルメディアと映画
- クラウドファンディング
- モバイル機器と映画
- 著作権とデジタル時代の諸問題
- マルチチュードと公共圏
- 原発と映画
- 検問強化の動き
- 若手インディペンデント映画シーンの活況
- 観客(オーディエンス)のライブ至高
- アニメーションのデジタル技術
- 人名
- 園子温
- デヴィッド・フィンチャー
- ミヒャエル・ハネケ
- アピチャッポン・ウィーラセタクン
- ワン・ビン
- テレンス・マリック
- ダーレン・アロノフスキー
- クリストファー・ノーラン
- 松江哲明
- 細田守
- 2010年以降の必見映画15
大量の映画を見続けるのとはまた違ったアプローチで、映画通を目指すのも楽しそうってもんです。
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