視覚効果と音楽がヤバい!でも、、、 映画『華麗なるギャツビー』ネタバレ感想

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昭和57年生まれ、現在32歳の僕にとって、高校1年生の頃に公開された『タイタニック』はまさに青春の映画。
人生初の映画デートが『タイタニック』だったりもするわけで、主演のレオナルド・ディカプリオも僕にとっては青春のひと時を思い起こさせる役者です。

と言いつつ、『タイタニック』以降のディカプリオの出演作にさほど興味があるわけでもなかったんですが、『ディパーテッド』『インセプション』と近年の出演作でのディカプリオは超かっこいい!
そして何より『ジャンゴ 繋がれざる者』の怪演に完全にやられてしまいまして、「彼の出演作はチェックしなくちゃ!」と思っていたタイミングで本作『華麗なるギャツビー』のレンタルが開始!
というわけで、ちょっとタイミング遅めですが観てみました。

『華麗なるギャッツビー』という作品については、F・スコット・フィッツジェラルドの原作小説も、過去の映画化作品も名前は聞いたことあるけど…、という程度の認識。
こういう超有名作品の映画化の場合って、「みんな原作を知っていて当然」という前提で作られている作品もたくさんあるので『トゥルー・グリット』とか『ライフオブパイ』とか、そうみたいですね。)、「本作もそっち系だったらキツいな。。。」と思いつつも、結局原作は読まないまま鑑賞。

結果的としては…、原作を読んでいたらもっと楽しめた部分はあるんだと思うんですが、読んでなくても充分満足!
タイトルやジャケの雰囲気、そして古典文学が原作ということで“お堅くて地味な映画”を想像してしまいがちな本作の魅力は、実は視覚効果音楽
あまり深く考えなくても、目で、耳で楽しめる映画でした。

作品概要

2013/アメリカ 上映時間:142分 G
原題:The Great Gatsby
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:バズ・ラーマン
出演:レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、キャリー・マリガン

<あらすじ>
宮殿のような豪邸に暮らし、素性も仕事も謎めいた大富豪のジェイ・ギャツビーは、毎夜のように豪華絢爛なパーティを開いていた。そんなある日、ギャツビーは、隣人の青年ニックに自らの生い立ちを語り始めるが、あまりにできすぎた物語に、ニックはギャツビーが何か隠し事をしていると直感する。やがてギャツビーは上流階級の令嬢デイジーに心ひかれていくが……。

感想

47 100点満点 scored by ultimate-ez華麗なるギャツビー

というわけで、予想外にも視覚効果と音楽が最高だった本作『華麗なるギャツビー』。
中でも特に、音楽が最高でした。

1920年代のアメリカが舞台の本作。
そういう意味では、「この時代にこの音楽」って全然史実に即していないはずなんですが、作中で使われる音楽はHip-Hopとジャズの融合!
それも、ちょっと前にはやったオシャレなジャジーヒップホップNujabesとか)とは違い、ゴリゴリのギャングスタラップジャズの融合。
超イケイケで、超かっこいいわけですよ!

https://www.youtube.com/watch?v=yKCeQXSX0yI&feature=player_embedded

(なんせ主題歌がジェイ・Z&カニエ・ウェスト!!)

パーティーシーンの3D効果バリバリの映像美と相まって(まあレンタルブルーレイでの鑑賞なので3Dではないんですが。。)“古きよき時代”ではなくリアルタイムのイケイケ感が溢れるシーンが続きます。

上述したように、これって「史実を再現する」という意味では全然正しくない演出。
でも、“当時をリアルに再現”するってことは、リアルであればあるほど古臭くなるってことなわけで。
例えば、本作における「ギャッツビー氏が開催するパーティーのセンセーショナルさ」ってのは、“当時をリアルに再現”したところで表現できるものではないわけです。

だからこそ、今見せられる最先端の映像と音楽でそのセンセーショナルさを表現しているというのが本作のアプローチ!
もちろん、こういう演出上の“嘘”が気に食わないという人もいるだろうし、それこそ原作ファンなんかには不満だったりするのかもしれません。
それでも、あそこまで超かっこいい映像+音楽に仕上げられてしまったら、それにシビれずにはいられないわけですよ!

物語の内容的にはちょっといろいろ思うところのある作品ではあるんですが、少なくとも「視覚効果+音楽」の一点だけをみて「映画館で観るべきだった。。」と思わざるをえない作品で。
これからレンタルで観ようと思っている方も、可能であればDVDではなくブルーレイ版での視聴をオススメします!

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さらに、本作はキャスティングもまた最高でした。

まずは、主人公ニックにして「完璧な笑顔だった」と言わせた“あの表情”で、ギャツビーというキャラクターを一撃で表現して見せたディカプリオが最高!
「実はこうだった」という説明臭い描写はまったく無いにも関わらず、デイジーとの再会にキョドりまくる姿や、貧乏な出を指摘されキレる姿、そしてデイジーに「夫のことを愛したことはなかった」と認めることを強要する姿などの積み重ねによって、最終的に「実はデイジーを愛していたわけではなく、自分の過去において唯一手に入らなかったものに固執して、それをなかったことにしたかっただけ」というギャッツビー氏の空虚な実像が浮かび上がってくるという表現力が凄い!
“ギャッツビーの葬儀には誰も参列しなかった”というオチを迎える脚本の力もあるんだけど、一言で言い表せないギャッツビーという多面的なキャラクターを体現してみせるのは、間違いなくディカプリオの表現力があってこそ。

完全に上から目線でコメントさせていただきますが、「いやー、ディカプリオはホントに良い役者になったな〜」

それから、デイジーを演じたキャリー・マリガンも素晴らしい!

実は未だにミシェル・ウィリアムズとの見分けがついていなかったりもするんですが、やっぱり“一癖あるタイプ”のめんどくさい女を完璧に演じる女優さんです、この人!
今回も、一言で言ってしまえば“クソ女”のデイジーなんですが、この“クソ女”が男を虜にしていく理由ってのも理解できてしまうのが悲しい男の性。
『わたしを離さないで』『ドライブ』『SHAME』と全部そうなんですが、「決して超絶美人ではないし、関わったらめんどくさそうなオーラをビンビンに出しているのに、何故か気になる」という厄介すぎる存在感をナチュラルに表現してしまっています。

やー、本人も実際にこういうめんどくさい女なんじゃないかと思ってしまうほどのリアリティーですよ!

さらに「金持ちクソ野郎トム・ブキャナンの「金持ちクソ野郎」としか形容できない金持ちクソ野郎っぷり」「“語り手”であり“隣人”というポジションを最初から最後まで貫き通すニック」など、脇を固めるキャラも全員が全員存在感が強く、各々のカラミを見ているだけでかなり満足度の高い作品でした。

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ただ、物語そのもの、というか物語の終わり方に関しては全く乗れないといいますか、むしろ腹立たしい内容で。
この辺りが原作を読んでいるともう少し理解しやすいのかもしれないんですが、一体この映画を観て僕は何を思ったらいいっていうんでしょうか!!

もちろん、ギャツビーの人生だけを切り取って見れば、ギャツビーという空虚な男の“盛者必衰”を描いた物語なんでしょうけど、その背後で裁かれない悪が平然と生き延びてしまうのがかなり納得がいきません。

物語のラストで哀しい死を迎えるギャツビーと、ギャツビーを殺したあげくに自殺を図るウィルソンは、どちらも真実を知らないままに死を迎えてしまうわけで。
そのくせ、「実はウィルソンの奥さんの間男であり、間接的とはいえギャツビーの死の最大の要因となった“金持ちクソ野郎”」「女一人を車ではね殺した上でその罪をギャッツビーにかぶせておいて、なぜか悲劇のヒロイン然とした振る舞いをとるデイジー」の二人は「私たちは何も知らない海外で暮らすわ」と物語からフェードアウト。

金か!世の中金なのか!
アメリカという資本主義社会において、やはり正義は金なのか!!

もちろんギャツビーだって数多の人を不幸に陥れた上で財を築いたと思しき男で、ああいう死を迎えることに「自業自得だざまあみやがれ!」と思わないでもないんだけど、それにしたって一番のクソ供が生き延びてしまうラストがどうしても納得いかないんですよ!

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というわけで、なんともスッキリしない、というか非常に腹立たしい気持ちのままエンディングを迎えてしまう本作。

ちょっと前に『シュガーラッシュ』という作品の感想でも書いたことですが、やっぱり僕は“悪がきっちりと裁かれる話”が好き。
そして、本作と同じくキャリーマリガン主演作の『わたしを離さないで』の感想でも書いたことですが、“自分こそクズ野郎のくせして悲劇のヒロイン面”のヤツ(『わたしを離さないで』ではヘールジャムの子どもたちに真実を教えたあのクソ女教師)が大嫌い。
そんな自分の嗜好を改めて思い知らされる作品でした。

もちろんよく出来た映画で、映像と音楽、そして各キャラクターの立ち振る舞いにはかなり楽しませてもらえる映画であることは間違いなくて。
ニックが“語り手”として成立するために、ニックが全部の真実を知っている根拠をちゃんと描いているため物語として矛盾点がないのも好印象。
(まあ、そこまで知っておいて傍観者のまま物語の本筋に深く関わらないのもどうなんだよ!と思いますが。)

にもかかわらず、最終的な印象としては「キライ!」と思わずにはいられない作品、というのが正直な気持ち。
「良い映画なんだけど、キライ。。」なんとも居心地の悪い感想を残す映画なのでした。

原作は訳者違いでいくつか出版されているようです。

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