大好きだけどノーサプライズ! 映画『サプライズ』ネタバレ感想

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海外の映画祭での評判がものすごいとの噂を聞き、ただでさえ期待値が上がってしまう中、『You’re Next(次はお前だ!)』という原題をわざわざあえて『サプライズ』という邦題にしちゃったせいで、さらに期待せざるをえなくなってしまった本作。
サプライズとタイトルについてしまうほどの“オチ“をどこかで見聞きしてしまう前に、なるべくまっさらな状態で観たい!ということで、公開初日に鑑賞しちゃいました!

で、実際どうだったかというと、「好き」か「嫌い」かで言えば大好き!
でも、「サプライズ」というタイトルが適切だったかどうかはちょっと疑問に感じてしまう作品でした。
いや、面白かったんだからいいんだけどね。

とは言え、ネタバレなしで観た方が良い映画なのは間違いない作品ですので、僕の感想なんか読まずに映画館に行ったほうが絶対にいいと思うよ!ということだけは言っておきます。

作品概要

2013/アメリカ 上映時間:94分 R15+
原題:You’re Next
配給:アスミック・エース
監督:アダム・ウィンガード
出演:シャーニ・ビンソン、ニコラス・トゥッチ、ウェンディ・グレン

<あらすじ>
両親の結婚35周年を祝うために家族10人が集まる。しかし、そこへ突然キツネやヒツジ、トラといった動物の仮面をつけた集団が現れたことから、逃げ場のない密室で予測不能な事態が次々と巻き起こる。

感想

69 100点満点 scored by ultimate-ezサプライズ

というわけで、映画としては非常に堪能しつつも、「サプライズ」というタイトルに無駄にハードルを上げられてしまった感のある本作。
まあぶっちゃけて言ってしまえば、それほど強烈なサプライズがある作品ではなかったわけですが、それがダメかといえば決してそうではないんですよ。

いやむしろ、非常に王道な「ホラー/スラッシャー映画」のプロットをベースに、かなりの正攻法で作り上げた映画で。
そういう意味ではむしろ「サプライズ」の真逆!
どストレートの豪速球
と言える作品なんだと思うわけです。

もちろん、ホラー映画なんだから、演出として「ためて、、ためて、、、ワーッ!!という脅かしを随所でやっていて。
そこで観客は“驚く”し、「実は主人公は、、、」「怪しい隣人の正体は、、、」「事件の真相は、、、」という物語のキーとなる要素が暴かれていく度に「そうだったのか!」と“驚き”は続きます。
そういう意味ではいくつもの”サプライズ”に満ちた映画ではあるんですが、果たしてそれがこの映画固有の特徴と言えるかといえばそうではなく、むしろそういう“サプライズ”があることは、この手のホラー映画・スラッシャー映画というジャンル自体が持つ特徴。
この映画で展開している程度の“サプライズ”ってのは、そもそもジャンルがデフォルトで備えている特徴だと思うんですよ。

まあ、そのデフォルトの特徴すらも備えていない作品が数多くあるのも事実なんでしょうけど、それでも「サプライズ」というタイトルは盛り過ぎだな〜と思わざるをえませんでした。
(むしろ、この映画のプロットで”サプライズ無し”ってものを作るとしたらどう展開させればいいのよ?っていうね。。。)

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というわけで冒頭から不満を書いてしまいましたが、これはあくまで「邦題」に対する不満。
作品としては、最高!でした。
(ちなみに本作品につけた点数は、満点から邦題への不満分の点数をマイナスしたというわけではなく、こういうB級映画はそもそも満点が100点じゃなくて60点満点ぐらいに思っていて。そこに対するこの点数なわけです。つまり、最高!ってことです!)

新旧さまざまなホラー映画の要素を盛り盛りに盛り込んでいる本作。
“人里離れた屋敷に殺人鬼が!”という展開はそれこそベタ中のベタだし、使用する武器は『13日の金曜日』『ゾンビ』風。
エルム街の悪夢』『シャイニング』『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせる場面も多数あり。
そして、中盤以降の主人公の佇まいと容赦ない行動は『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』!
などなど、数えだしたらキリがないほど。
(アニマルマスクの3人組は、映画ではなく漫画『ワースト』に登場するアニマルマスクの男、武装戦線別働隊KKK所属の『姫川敬』を思い出しちゃいましたが。)

そして、“元ネタ“と思しき映画は数々思いつくものの、それを安直に再現しているだけではなく、ちゃんと一つの作品として昇華しているのがステキ!
単なるパクリを“オマージュ”と言って誤魔化してみたり、“ネタ”として茶化して使うわけではなく、正当に使いこなしているあたり、監督の力量の高さを思い知らされます。
そう、本作は決して「サプライズ」が売りの映画じゃなくて、こういう地力の高さこそが魅力の映画なわけですよ!
(そういえば、ミキサーを使って頭頂部をシェイクスするシーンは元ネタが思いつきません。オリジナルなのかな?僕が大好きな『ファイナル・デスティネーション』シリーズの続編がなかなか作られない中、ミキサーを使ったクリエイティビティーあふれる殺害シーンで、これもまた最高でした!!!)

まあ、プロットにケチをつけようと思えばいくつも穴はありまして。
そもそもあの“犯人たち”は、計画通りに皆殺しが成功していたとしてどうするつもりだったんだ?ってのが気になるところ。
クリスピアンの発言で、エリンの“役割”が語られていましたが、それだけでいけるとは到底思えません。

単なる強盗の襲撃に見せればいいところを、数日前から家の中に潜伏して痕跡を残していて。
隣人を殺しちゃっているのも犯罪計画としては非常にずさんなもの。
ああいう莫大な遺産が絡むとなれば捜査も厳重に行われるのが想像に難くないところですが、一体どうやって決着をつけるつもりだったんでしょうか。
当然映画としては計画が失敗して悪は倒されるんですが、あまりにもそれ前提のプロット!
あの中の誰かが警察に捕まるという計画でもなさそうでしたし、単純に逃れられると思ってたんですかね?

ほかにも、映画に描かれる以前のストーリーが非常にイメージしにくいのも気になるところ。
クリスピアンとフィリックスが、最初にどうやって話を始めたのかが、なんだか全然想像できません。
どっちがどうやって切り出したんでしょうかね?

まあ、そもそもそういう細かいことを気にしちゃいけないのがB級映画!
基本的に「なぜ主人公たちが襲われたのか?」すら厳密には明かされないことも多いのがこのジャンル。
「つっこみどころもあるけれど、面白いから大好き!」と思わせたら勝ち!の世界において、まさにそれを体現しているのが本作。
やっぱりこの映画、最高のB級映画です!

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というわけで、文句をいいながらも最終的には「最高です!」という結論に至った今日の感想文。
これですよ、これ!
文句を言って、ツッコミを入れて、それでいて「大好き!」「最高!」といえるのがB級映画の楽しさ!
それを味わえる映画は、間違いなく傑作なわけですよ。

そんなわけで、明確な不満点は「邦題」のみ。
とは言え、じゃあ何だったらよかったのかと言われば対案は無かったりもするんですけどね。
原題のまま「ユー・アー・ネクスト」だと意味として伝わりにくいし、和訳して「次はお前だ!」だとなんか『北斗の拳』的な話に見えてしまいそうだし。

うーん。。。

『羊と虎と狐と女』

いや、これだったら『サプライズ』の方がずっと良いわ!
文句を言うのは簡単ですが、自分でやるのはなかなか難しいものなのです…。

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