ちょっと残念な“TVドラマ”クオリティー 映画『ゴースト・スクール』ネタバレ感想

Poster

「コメディタッチの学園モノで、最後には感動が。。」という裏ジャケットのキャッチコピーに魅かれてレンタルしてみた本作『ゴースト・スクール』。

いやーこのキャッチコピーはなんとも魅力的。
そうです!
更新を始めて1年が過ぎた当ブログでの100件弱の映画の感想の中で唯一の100点映画(僕の個人的な嗜好による点数なのでなんの権威もないんだけど。。)『きっと、うまくいく』を彷彿とさせるキャッチコピーなんですよ!

というわけで、またまた懲りもせずに無駄に期待値を爆上げにした状態での鑑賞となってしまったんですが、、、
うーん。
そこまでの期待値に応えてくれる映画ってわけではないようでした。。。

作品概要

2012/スペイン 上映時間:101分
原題:Promocion fantasma
配給:エスパース・サロウ
監督:ハビエル・ルイス・カルデラ
出演:ラウール・アレバロ、アレクサンドラ・ヒメネス、ハビエル・ボーダロ

<あらすじ>
教師のモデストは、幽霊と会話できる能力が災いして次々と学校をクビになってしまう。そんな彼が新しく赴任した学校では、5人の不良生徒の幽霊が自縛霊となって学校を荒れさせていた。学校に平和を取り戻すため、どうにかして霊たちを“卒業”させようとするモデストだったが……。

感想

34 100点満点 scored by ultimate-ezゴースト・スクール

というわけで、イマイチ期待はずれだった本作『ゴースト・スクール』。
なんでしょう、物語のスケール的にも映像の水準にしても、「TVドラマっぽいな。」というのが率直な感想。
ストーリーの都合で登場人物が80年代ファッションに身を包んでいる影響もあるのかもしれませんが、“新鮮さ”“斬新さ”を感じる場面が基本的に全く無く、かろうじて「スペイン映画」というあまり見慣れない国の映画だったことに新鮮さが無いことも無いかな〜といった感じです。

本作のストーリーを大雑把に言うと、子どもの頃から幽霊が見えてしまう特異体質の男モデストが主人公。
モデストは生きている人間と幽霊の区別が付かないくらいにはっきりと幽霊が見えてしまうせいで、他者から見た言動がかなり不審。
そのせいであまり人付き合いがうまくいかず、仕事も長続きしていません。
そんなこんなで臨時教師として学校を転々とし過ぎてなかなか次の仕事が見つからないんですが、本作の舞台となる学園で急な空きができたため、どうにか新たな職に付くことができます。

ただ、実はこの学園では常識では考えられない不可解な事件が相次いでいて、その原因が“幽霊”。
30年ほど前に旧校舎の図書館で起きた火災で死亡した5人の生徒。
その霊が地縛霊となって悪さをしており、度々事件が起きる学校だったわけです。
新任の教師もすぐに霊により脅かされてすぐに辞めてしまうため、誰でも良いから代わりの教員を!ということで、経歴が穴だらけのモデストがすんなりと採用されたというわけです。

そんなモデストもまた着任初日から幽霊たちの洗礼を受けるわけですが、なにぶん彼はハッキリと霊が見えてしまう体質。
「空を舞う本」「動き出す人体模型」「浮き上がる机と椅子」を演出している幽霊たちの姿も普通に見えてしまうため、「君たち、そんな椅子やら人体模型やらを持って何しているの?」というリアクション。
幽霊たちの方が「俺たちのことが見えるのか!」と逆にビックリしつつ、ここからモデストと幽霊たちの交流が始まるわけです。

346539 005

そこからは割とどこかで見たことあるようなプロットなんですが、幽霊に度々人生を狂わされてきたモデストは学校で働くことを拒否。
しかし、若くて美人の女校長との恋愛チックなやりとりもありながら、渋々幽霊問題に着手。
「成仏できないのには何か理由があるはず、そうだ!彼らをちゃんと卒業させてあげよう!」と、彼らの卒業試験を実施することを決意。
そこへ向けて幽霊たちと一緒に猛勉強を始めます。

最初からモデストを慕う生徒もいれば反発する生徒もいたりしながら、みんなで卒業試験を迎え、無事に全員合格を果たすんですが、なぜか成仏できず。
「俺たちを騙しやがって!」と逆上した幽霊生徒たちは暴走し、学園は『キャリー』ばりの大惨事。(あ、死者はでませんが。)

しかし、自分のいい加減な対応を悔いたモデストは、そこからあらためてしっかりと生徒たちと向き合うことを決意。
一人一人の悩み(成仏できない理由)に真摯に向き合いながら、最終的には5人のリーダー的な少年が抱える5人全員の“死”にまつわる大きな秘密の解決へと繋がっていきます。
そして、モデストによってそれぞれが自分の問題と向き合い解決することで、ついに5人の生徒たち全員がちゃんと成仏を果たし、学園の問題を解決されていきます。

とまあそういう感じで、“幽霊”という特殊な要件が絡む話ではあるけれどさほど目新しさのある話ではなく。
日本人ならお馴染みの「世にも奇妙な物語」の“ちょっと不思議な感動エピソード”くらいのものをイメージしていただければさほど遠くないお話でしょうか。

346539 004

というわけで、TVで見るなら決して悪くは無い作品だけど、“映画”としてはちょっとチープといった印象の本作。
気になったのは、個々の演出の安っぽさに尽きます。

光がフワーっと差し込むことで表現される“成仏”もなんだかいけてないし、その光を見上げる幽霊たちを俯瞰で見下ろすカメラワークもなんだかすごくダサい!
被写体とカメラの距離感も非常に“テレビ的”で、映画的なダイナミズムみたいなものを感じるシーンが全くありません。
そういうダイナミズムを排除するならそれはそれでいいんだけど、それだったら『フィッシュ・タンク』みたいに画角や画質に意味を感じられたらいいんですが、どうにも“ありモノのカメラでただ撮っただけ”という以上のものを感じない作品でした。

また、シナリオの作り方もわりと雑で。
幽霊の一人に妊娠中の女生徒がいて、お腹の子の父親である当時のクラスメイトのことを語るシーンがあるんですが、「私のカレってステキなのよ!髪もフサフサで!」と、それまでの文脈に全く関係がない唐突な“髪の毛がフサフサ”という情報が提示されて。
これはもう、当然その彼は現在ではハゲてるんでしょうね、としか思えない見え見えの伏線なわけですが、その時点で登場人物にハゲは一人。
「そりゃああんた、あのハゲが彼氏なんでしょう!そしてあのハゲは最低クズ野郎なんだから、あんた騙されてたんだよ!」ってところまでが一言で全部わかってしまうんですよ。

いやまあ、早い段階であのハゲが彼氏なのがわかってしまうのは良いとしても、それがあんな不用意で不自然な一言でバレてしまうってどうなのよ?

(ただまあこのハゲの役者さん、僕が見た数少ないスペイン映画のうち、今のところ全作品出演している気が。。。『エンド・オブ・ザ・ワールド 地球最後の日、恋に落ちる』に出てたのは覚えてるんだけど、もう1つ何か別の作品で見た気が。。。日本における香川照之みたいな人なんすかね、あのハゲ。)

346539 003

とまあそんな感じで、トータルで見て“安っぽさ”が目に付く作品だった本作。
決してつまらないというわけでもないし、あまり見慣れないスペイン映画だったせいか街並みや主人公の風貌のオサレ感は意外に楽しめたりもするんですが、例えばこの映画の舞台を日本に変えて、キャスティングも全て日本人で作ったと想定してみたら、(それこそ、旬なアイドルとジャニーズの若手女優があの幽霊たちを演じて、、主人公は香取慎吾あたりが演じて、、、みたいなヤツですよ。)絶対につまんないだろうな、とも思うわけで。

これって、僕が映画を高く見すぎているのかもしれませんが、やはり“TVドラマ”とは違うクオリティが映画には欲しいな〜と思ってしまうのでした。

Commentsこの記事についたコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です