クロエちゃんリメイク版を阻む、“オリジナル“の高い壁! 映画『キャリー』(1976年版)ネタバレ感想

キャリー〈特別編〉 [DVD]

いよいよ、クロエ・グレース・モレッツ主演のリメイク版『キャリー』が公開され、早速来週にでも観ようと思っているんですが、その前に!
“予習”の意味を込めてオリジナル版の『キャリー』を見返してみました。

さすがにオリジナルはそこそこ古い映画ってこともあり、リメイク版はオリジナルを観てなくても楽しめるだろうとは思うんですが、「あれだけ“オチ”全見せの予告編を作ったらからにはそれ以外の追加要素があるに違いない⇒だったらオリジナルをきっちり思い出していた方が楽しめるはず!」
そして、「ともすれば思い出補正+懐古主義的発想でオリジナル版を上げてリメイク版をけなすことになってしまいそうなんで、ちゃんとフェアな感覚で映画を観たい」なんてことを考え、オリジナル版での予習を決めた次第です。

作品概要

1976/アメリカ 上映時間:98分 R15+
原題:Carrie
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:シシー・スペイセク、パイパー・ローリー、エイミー・アービング

<あらすじ>
狂信的な母親のもとで育てられ、学校でも日常的にいじめを受けている少女キャリーは初潮を迎えて動揺するが、生理現象は汚れの象徴だと母親に罵られる。しかし、その日を境にキャリーは念じることで物を動かせる超能力に目覚めていく。一方、いじめっ子たちは陰惨な嫌がらせを思いつき、高校最後のプロムパーティの場でキャリーを陥れるが、怒りを爆発させたキャリーの超能力が惨劇を招く。

感想

84 100点満点 scored by ultimate-ezキャリー(1976年版)

というわけで、仕事帰りにTSUTAYAに立ち寄ってオリジナル版『キャリー』をレンタルしてみたわけですが、まずちょっと一つ。不満を言いたい!

普段からTSUTAYAをお使いの人ならわかると思うんですが、TSUTAYAのDVDケースには映画の上映時間が記載されています。
そして、今回レンタルしたキャリーのDVDの正式なタイトルは『キャリー 特別編
そして、ケースに記載されている上映時間が193分なんですよ!

オリジナルの『キャリー』を観たのは10年くらい前のことで記憶はあやふやではあるものの、「長い」という印象を持つ映画ではなかったはず。
当時はDVDじゃなくて文字通りレンタル“ビデオ”のVHSで観たんですが、それに「特別編」の文字があったかどうかも覚えていなくて。
思わず、「これはもう、未公開カットを大胆に継ぎ足しまくった結果として「大長編」に仕上げたのか!それにしてもあの話で190分は長過ぎやしないだろうか!」と躊躇してしまったんですが・・・。
何のことは無い、本編約100分+映像特典90分で190分!!

ちょっと、もう!
映像特典は上映時間に含めないでよ!
ってか、他の作品では含まない時間を記述してるじゃんかよ!!!

とまあ、映画本編と関係ないところで不満が溢れてしまいました。
いやー、子育てモード全開の我が家ではなかなか落ち着いて映画を観る時間が作れないもので。
150分超の映画は一気に観れないことも多く、ついつい敬遠しがちなんですよ。
そんなわけでここの表記、是非直していただきたいッス!TSUTAYAさん!!

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というわけで、のっけから映画とはあまり関係のない不満を書いてしまいましたが、まあそれはさておき。
映画自体はやっぱりすげー面白かった!

ただ、35年以上前の映画ということで映像的に古くさいと感じるところは多く、ラストの家が壊れるシーンの安っぽさや、キャリーの超能力によりモノが動くシーンのカット割りなど、今の感覚では不自然に感じるところが多いのも否めなくて。
今だったらCGで合成するところを当時の技術で工夫しながらやっている作品で、当時としてはこれが最新鋭の映像表現なんだってことはわかるものの、ナンシー・アレンとジョン・トラボルタが車ごと転がっていくシーンでカットインする「グルグル回る二人の合成画像」など、恐怖を感じるよりもむしろニヤニヤしてしまうシーンもいくつも存在します。

キャリーがみんなに嘲笑われて蔑まされているシーンで、キャリーの不安をスプリットスクリーンで表現していたりするのも、当時としてはインパクトのある映像なんでしょうが、当然そこに驚きはありません。
(もちろん、古典的な映画に“新鮮さ”を求めること自体が間違ってるんですが)

また、音楽面についても、も今の感覚だと超絶ベタ!
不安を煽るためのキリキという高い音を使った煽り音など、今となっては“やりすぎ”てコントっぽくすら感じてしまうほど(いやむしろ、コントでももう使わないか。)のホラー演出。
おそらく当時はこれがセンセーショナルで、みんながこの演出を真似したからこそ“ベタ”になったんだということは理解できるものの、さすがにこの演出で恐怖を感じるのは難しいものがあります。

ただ、やはり「語り継がれる名作」ってものには、35年やそこらじゃ色褪せない魅力があるのも間違いない事実。
本作において、その“魅力”の担い手は、やっぱり間違いなくキャリーというキャラクター自身!
キャリーを演じるシシー・スペイセクの存在感が凄すぎるんですよ!

Carrie

クライマックスでのあの表情がすごいのはもちろんのこと、基本的に「なんかわからんけど絶妙に気持ち悪い女の子」というキャラクターを完璧に表現していて。
(こんなこと言っちゃだめなんだろうけど)クラスメイトからのあの仕打ちも、「ああ、この子なんかイジめられそう。。」という妙な説得力があります。
おっぱいやおしり丸出しのシーンも多々あるんですが、そこにエロさを感じさせることはなく、むしろ無知な処女ゆえの無防備さを感じさせ、そこに対し“攻撃性”“加虐性”を感じてしまって。
そしてそんなことを考える自分に、ちょっとだけ自己嫌悪を覚えてしまうという・・・。
いやー、これは魔女ですわ。

それでいて、クライマックス直前のプロムでのキャリーは、角度によっては可愛く見えてきて、仕方なく付き合っていたはずのトミーがついつい本気になっちゃってることにもすごく共感ができてしまって。

この多面性!
まさに「キャリー」というキャラクターを完璧に表現しています。
リメイク版では生粋の美少女であるクロエちゃんが演じてしまっていますが、それだとクラスメイトのイジメが「かわいい子への妬み」に見えてニュアンスが変わってきそうな気がしますが、、、どうなんでしょう?

Carrie2

そしてやっぱりなんと言ってもあのクライマックスの惨劇ですよ!

宙を舞うホースなんかの表現がやっぱりチープだし、血まみれのキャリーの汚れ方がカット毎に変わっているせいでカットの繋がりがおかしくなってるように見えるところもあるんですが、文字通り“惨劇”としか表現できないあの世界観は凄い!
そして、真紅に染まる世界を支配する悪魔の子であるキャリーの立ち姿は恐ろしくも神々しさを感じるもの。
一言も発しないし、ほとんど動くことすらないキャリーのあの存在感は「凄い」としかいいようがありません。

その後の展開(お母さんとのくだり)は、クライマックスに比べると映像的なチープさが目立つし、宗教観のバックグラウンドがないとなかなか感情移入がしにくいところですが、最後の最後の「瓦礫の中からキャリーの腕がズボッ!」の“THE・ホラー映画”というべき演出でしっかりと着地してくれることで、生きている時代も背景となる宗教観も違う僕でも安心して映画を観終えることができまして。
さすが、この安心感!
やっぱり“古典映画”の醍醐味は、この安心感にこそあるんだなーと思うのでした。

というわけで、約10年ぶりの鑑賞となった『キャリー』。
10年前にもすでに“古典映画”的な立ち位置を築いていた映画でしたが、その魅力は今なお健在。
どこをどう考えても、クロエちゃんのリメイク版がこれを超えている可能性はほとんど無いんじゃないかとしか思えなくなってしまいました。
どうせなら思いっきり“クロエちゃんをどう見せるか”に振り切ったアイドル映画に仕上がっていたらいいなーという、超個人的な期待感だけを胸に、リメイク版を鑑賞しようと思います。

さーて、どんな映画に仕上がっているんだろうか。。

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