無駄だらけなんだけど、無駄がない。”あの頃の怪獣映画”が帰ってきた!! 映画『パシフィック・リム』ネタバレ感想

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2013年公開の映画で“最注目”の作品の一つだった『パシフィック・リム』。
「俺はコレを観るために生まれてきたぜ!」という全力のテンションでIMAX3Dへ行ってきました。

正直、予告編を何度も観ているうちに、「もしかしたらコレはクソつまらないんじゃないだろうか…」という不安に襲われたりもしつつ、「いや、それでもロボットと怪獣が戦う映画に間違いはないはずだ!なんてったってロボットと怪獣が戦うんだからな!というおかしなテンションになっていたんですが、いやいや何の心配も無かった!
問答無用で、超おもしろい映画ですよコレは!

やっぱりロボットと怪獣が戦う映画は最高だ!!

作品概要

2013/アメリカ 上映時間:131分 G
原題:Pacific Rim
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム、イドリス・エルバ、菊地凛子

<あらすじ>
2013年8月11日、太平洋の深海の裂け目から超高層ビル並の巨体をもった怪物が突如出現し、サンフランシスコ湾を襲撃。「KAIJU」と名付けられたその怪物によって、わずか6日間で3つの都市が壊滅する。人類は存亡をかけて団結し、環太平洋沿岸(パシフィック・リム)諸国は英知を結集して人型巨大兵器「イェーガー」を開発。KAIJUとの戦いに乗り出す。
それから10年が過ぎ、人類とKAIJUの戦いは続いていたが、かつてKAIJUにより兄を亡くし、失意のどん底にいたイェーガーのパイロット、ローリーは再び立ち上がることを決意。日本人研究者のマコ・モリとコンビを組み、旧型イェーガーのジプシー・デンジャーを修復する。

感想

92 100点満点 scored by ultimate-ezパシフィック・リム

というわけで、冒頭からいきなり気持ち悪いテンションで申し訳ないんですが、この映画をすでにご覧になった方にならわかってもらえるはず!
なんと言いますか、開始2秒で目がキラキラしてきて胸が高鳴る映画なんですよ。

「超でっかい怪獣が街を襲ってきて、それを超でっかいロボットがぶっ倒す。」
そんな“僕らが子どもの頃に見ていた特撮やアニメが、超絶クオリティで現代に蘇った”としか言いようのないこの映画にテンションが上がらずにはいられないわけですよ。

まあ、本来“怪獣映画”と言えば日本のお家芸。
本作の監督ギレルモ・デル・トロ監督も日本の怪獣映画の大ファンらしく、本作のエンドロールでも怪獣映画の父ハリー・ハウンゼンと並んで、『ゴジラ』を撮った東宝特撮映画の監督「本多猪四郎」氏へのメッセージが出たりして、日本の怪獣映画に多大な影響を受けていることは間違いないわけで。
(なんせ、襲ってくる怪獣の総称はKAIJUですからね。)
「本来ならこういう映画が日本から生まれるべきなのに!」なんてこともちょっと思ったりするんですが、まあそれはそれ。
ハリウッドが本気で作った怪獣映画(そう書いちゃうと『GODZILLA』という“アレ”な映画を思い出しそうになりますが、アレは忘れてください。)に、全力でやられてしまいました。

というわけで、本日の感想はいまだに内容のあることを一言も書いていないわけですが、今日は私このテンションで参ります!

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そんなわけで、「最高ォォ!!フォーーーー!!!」という感じだった本作『パシフィック・リム』。

どんな話だったかと言えば、予告編を観ている人が「こんな話かな。」と想像する“そのまんま”なお話。
太平洋に突如開いた“時空の裂け目”から怪獣(KAIJU)が出てきて、それに立ち向かうべく人間がロボット(イェーガー)を作ってドンパチ繰り広げるという単純明快な物語です。
そこに絡んでくる人間ドラマは、「兄弟」「師弟」「父子」「恋人未満友達以上」と多様な関係性が交錯していて、それなりに複雑。
みんながそれぞれ抱えた想いに決着を付けつつ、最後には全員でKAIJUに立ち向かう」という展開はものすごくベタではあるものの、間違いなくグッとくるし泣けるわけで。
“怪獣に立ち向かうヒーロー像”としては僕たち日本人には定番すぎるキャラクター設定ではあるんですが、本作の主人公ローリーは“エリートではない等身大の人間(=自分自身を投影できる人物)”
そんな彼が悩んだり失敗したりしながらも巨大な的に立ち向かっていく「人間ドラマとしての怪獣映画」っぷりは、たまりません!

そんなわけで物語の骨子は思っていた以上にしっかりしている映画なんですが、じゃあ“人間ドラマ“で131分というやや長めの尺を持たせているかといえば、当然そんなわけはなく。
やっぱり物語の半分以上はドンパチ!
怪獣が街を壊し、ロボットが怪獣を倒すド派手なシーンがこれでもかってくらいに詰め込まれているわけです。

そして、闘いの要所要所に挟み込まれる“無駄”なシーンの数々!
「怪獣の猛攻をがっぷり四つで受け止めたイェーガーの踵が港の係船柱にちょっとだけ当たって、その上に止まっていたカモメが鳴く」とか。
「イェーガーのパンチがビルのオフィスをぶち破って、腕が伸びきった時に拳の先端がオフィスのデスクにちょっとだけ触れて、その反動で「ニュートンのゆりかご」を動かす」とか。
物語上まったく意味がなくて、おそらくはクリエイターたちがやりたかった事をぶち込んだのがこの辺のシーンなんでしょう。
ただ、こういうクリエイターのエゴ物語を破綻させないバランスを取りつつしっかりやりきっているのがステキ!!

まったく、無駄だらけなんだけど無駄がない映画ですよ!!

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ただし、この手のSF映画にありがちな“ツッコミどころ”っていうのはやっぱり満載!

例えば、街で戦っている最中にKAIJUを見失ってしまったからって、KIJU探索のためにイェーガーで街を走り回ったり(当然ながら、その間イェーガーが街を壊しまくり!)
KAIJUとのバトルでタンカーを振り回してKAIJUを殴ったかと思ったら、コンテナをしこたま掴んでそのままパンチ!(いや、確かに人間は何かを握り込んだ方がパンチ力が上がりますけど、ロボットもなの!?)とか。
主人公機のイェーガー「ジプシー・デンジャー」は各種武装の使用を音声操作でコントロールできるはずなんですが、「自爆装置」だけが手動なのはまだ理解できるけど、通常装備の「冷凍スプレー」だけ何故かマニュアル操作!とか。
まあ、そもそもイェーガーという巨大ロボットのパイロットの適正試験が“棒バトル”!?ってのもまったく意味がわからなかったり。

それでも、そういう細かいツッコミどころのすべてに対して、「だってこうした方がカッコイイだろう!」という言葉で100%解決してしまうのがこの映画。
たしかにイェーガーが走り回るシーンはカッコイイし、コンテナを握りこんだパンチはカッコイイし、マニュアル操作シーンはガジェット感がアップしてカッコイイし、菊地凛子の棒さばきは超カッコイイ!!

いやー、前言撤回します。
この映画、つっこみどころは一箇所も無い。完璧でした!

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まあ、唯一ちょっとケチをつけるとすれば、我らが日本製のイェーガー「コヨーテ・タンゴ」の存在感の無さ。
前情報としてイェーガーのデータはFacebookページにもチョコチョコ上がっていて、「ジプシー・デンジャー」らと並んで紹介されていた「コヨーテ・タンゴ」も劇中で大活躍するのかと思いきや。
伝説の第1世代イェーガーとして回想シーンで登場するのみ。
スタッカー司令官がパイロットだったという展開はアツいし、芦田愛菜のハリウッドデビューシーンは素晴らしいんだけど、最終決戦に参加しないなんて結構ガッカリしてしまいました。

さらに、第1世代のイェーガーは“放射線遮断が不完全で長時間の搭乗はパイロットの生命を脅かす”とのことで、司令官は単独でKAIJUと戦った際に被曝。
もう一度イェーガーに乗ったら命はない(もちろんこの設定はフラグ!)ということでパイロットを引退していたことがわかるんですが、、、「日本製の兵器で被曝」っていう設定は、このご時世わりと洒落にならない設定でして。

なんと言いますか、この映画が山本太郎的な人に見つからないでいて欲しいな〜と切に願わずにはいられません。

TVCMをガンガン打ってるし、完璧な映画なので超オススメしたい気持ちではあるんですが、ややこしい人に見つからないように、騒がずそっとしておいてあげたいという気持ちもあるのでした。

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さて、結局ろくに内容に触れること無く、気持ちの悪いテンションのままここまで一気に書いてしまいましたが、とにかく細かい一個一個の要素がとにかくクソかっこいい映画で。

あっけなく瞬殺される中国製イェーガー『クリムゾン・タイフーン』の“三つ子のパイロットが操る3本腕のロボット”っていう設定はたまらないし、必殺技の名前が「雷雲旋風拳」って、もうこの一点を見ただけでも、心のなかの“少年”がウズウズしちゃうわけですよ。
「エルボー・ロケット」という泥くさい必殺技に、「プラズマ砲」という最先端技術っぽい必殺技も使える『ジプシー・デンジャー』の奥の手が「刀」(しかもチェーンソード!)っていうのも、やっぱり「スーパー戦隊シリーズ」「勇者シリーズ」のダブルパンチで育った世代にはガツンと響くわけですよ。
そして最後に、数多のハリウッド映画のように“安易なキス”に行かないところも、どこか少年漫画的でいい!あの終わり方、いい!!

それでもまあ、上述した以外にもツッコミどころや気になるところはもろもろあって。(さっきは「つっこみどころは一箇所も無い。」なんて書きましたけどね。テヘ!)
英語はペラペラなのに日本語が片言になっちゃう菊地凛子には違和感はあるし、防御力最強みたいに言われていたロシアのイェーガー「チェルノ・アルファ」の装甲が何の展開もなく溶かされちゃうのもズッコケ感があるし。
そして何より致命的なのが、最終的にローリーとマコはあの状況から脱出ポッドで脱出できたのに、司令官!なんでアンタはハンセンだけでも脱出させなかったんだよー!親父と約束したじゃんかよー!!ってとこは全く腑に落ちなかった。

そして、親父は親父で何をさりげなく「司令官」になっとんじゃい!っていう…。
いやー、やっぱりここは粋なおっさんたちが若者の未来を守って欲しかった。
まあ、ハンセンの最終戦直前からの精神的成長のスピードはすさまじく、クソかっこいい散り様ではあったんですけどね。

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とまあ、最後の最後までまとまりなく思ったことを書き綴っただけになってしまいましたが、何だか言いたいことが溢れて止まらない作品でした。

最近は「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」もCGを使いまくっているもののそこまでお金がかかっている感じではなくて。
僕らが観ていた“あの頃の特撮”と比べると、最近の特撮はどこか安っぽい印象を受けていて。
そりゃあもちろん、フラットな視点で比較したら今の特撮の方が全然凄いんでしょうけど、懐古主義的な気持ちが多分に入り込んじゃうもので。
「あの頃の特撮、あの頃の怪獣映画はすごかった」と思ってしまいがちなんですが、まさに“あの頃の怪獣映画”が、頭のなかで誇張された“あの頃のクオリティ”で蘇ったのが本作『パシフィック・リム』。

いつもはヌメヌメした気持ち悪いモンスターを生み出すギレルモ・デル・トロ監督が、本作では明らかに「ゴジラ」とか「ラドン」を彷彿とさせる質感表現の怪獣を生み出してくれたおかげなんでしょうけど、「記憶の中にだけ存在していた、すごい特撮」が目の前で具現化したかのようなこの映像は一つの奇跡!!
IMAXで観たってのも大きいんでしょうけど、奇跡的ですよ!

というわけで、もはや「最高だ!」以外に説明のしようもないので、改めましてもう一度言っておきます。

『パシフィック・リム』、最高だ!!!

おまけ

東宝制作風の『パシフィック・リム』予告編が素晴らしい。超かっこいい!!

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