「デニーロのそっくりさんが激似でおもしろかった」という超しょうもない感想しか出てこない…。 映画『レッド・ライト』ネタバレ感想

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映画のキャッチコピーの世界には、「あなたも必ず騙される!」というめちゃめちゃベタなキャッチコピーがあります。
必ずしも一言一句同じというわけではないんですが、「ラストxx分、あなたは真実に気がつく!」とか「この映画のオチを誰にも話さないでください」とか。
とにかく、キャッチコピーとして「お前は必ず驚くぜ!」という謎の予告が使われる映画って、ホントに引くほど存在します。

で、実際「あなたも必ず騙される!」系の映画の“必ず騙される率”って、高めに見積もっても2〜3割くらいのもので。
ほとんどの場合は、「いやいや。早い段階でオチわかりましたよ。」と文句の一つもいいたくなるような展開が待っていたりするものです。

ただまあ、僕はもともとミステリー小説が好きだったりするからなのか、この手の映画が大好きで。
気になってついつい観てしまうんですが、観れば観るほどにどんどん「驚かしのパターン」が潰されてしまって。
その結果、観れば観るほど“必ず騙される率”が下がっていくというジレンマを抱えているのがこのジャンルのツラいところ。

それでもやっぱり騙されたい!ということで、「あなたもきっと騙される」系の作品である『レッド・ライト』を手に取ってみたんですが、、、

「オチが読めた」という以上に、「オチが、わりとどうでもよかった」という斬新な後味を残す映画でした。。。

うーん。デニーロ無駄遣い。。。

作品概要


2011/country 上映時間:113分 G
原題:Red Lights
配給:プレシディオ
監督:ロドリゴ・コルテス
出演:ロバート・デ・ニーロ、キリアン・マーフィ、シガニー・ウィーバー

<あらすじ>
大学で物理学を教えるマーガレット・マシスン博士と助手のトム・バックリーは、超常現象を科学的に調査し、インチキ霊能力者を看破するなどして、騙されていた人々を救ってきた。そんなある日、1960年代から70年代にかけて超能力者として一世を風靡した後、30年以上にわたり表舞台から姿を消していたサイモン・シルバーが超能力ショーを再開し、話題を集める。トムは早速シルバーを調査しようとショーの会場に赴くが、そこで驚くべき現象に出くわし、それ以来周囲でショッキングな出来事が次々と起こりはじめる。

感想

30 100点満点 scored by ultimate-ezレッド・ライト

というわけで、まあ正直言って全然おもしろくなかった本作なんですが、序盤〜中盤の展開、そして“オチ”の展開の一番の肝となる部分に関しては結構よく出来てまして。

序盤は、超常現象を調査するマシスン博士(シガニー・ウィバー)と、助手の物理学者バックリー博士(キリアン・マーフィー)の二人が、“偽超能力者”のペテンを暴いていく話が続くんですが、“霊と通信する女”がポルターガイストを起こす仕組みだったり、観客のガンを見抜き“癒す”男が患者の情報を読み取っていく仕組みだったりを解明していく“謎解き”が繰り返されるのが痛快で。
特に、マシスン博士が同僚のポール・シャクルトン博士(大学内の政治力は高いため、結構えらい人)「カードを透視できる人見つけたぜ〜!!」とテンションMAXなところを、「いや、カードの絵柄がお前のメガネに映ってますけどもwww」とバッサリ切るところなんて最高。
まあ、ポール・シャクルトン博士を演じているのがトビー・ジョーンズってことで、先日観た『裏切りのサーカス』での超しょんぼり顔の記憶が新しく、トビー・ジョーンズの落胆顔が完全にツボに入ってしまったというのも大きな要因なんですけどね。

とまあ序盤はそんな感じで、“エセ超能力者”を二人の科学者がなぎ倒していくというエピソードがいくつか続くんですが、そこに本当の超能力者と思しきサイモン・シルバーという男(ロバート・デニーロ)が絡んでくるのが本作の本筋。

シルバーは30年前に一世を風靡した超能力者なんですが、当時シルバーを「ペテン師だ!」と批判をた科学者が突然死するという事件がありまして。
それが“超能力殺人事件”ってことで大騒ぎになり、以来姿を消していたという逸話を持ったバリバリの“本物”
それでも、マシスンとバックリーはデニーロのことも“エセ超能力者”だと疑い、嘘を暴こうと画策します。

と、そんな展開が続く中、そもそも二人がどうして“エセ超能力者”の正体を暴き続けているのか?という理由も明らかになってくるんですが、これがまたなかなか魅力的。

まず、マシスン博士のほうなんですが、実は彼女には4歳から意識不明で植物状態の息子がいまして。
しかも、30年前にシルバーと対峙した時、息子の状態のことを言い当てられ、「あなたの息子は逝きたがっている」という言葉を告げられたことで、激しく動揺してしまったという過去があることが判明します。

無神論者のマシスンにとって“死”とは全ての終わり。
だからこそ、息子の生命維持装置を切る=息子の人生を終わらせることが出来ないわけで。
でも、もしもシルバーの語る世界が本当で“死後の世界”なんてものがあるのならば、生命維持装置を切ったとしても息子の魂が終わりを迎えるわけではないということ。
そうなれば、マシスンは息子を逝かせてあげることが出来るわけです。

つまり、懐疑主義者の権化であるマシスン博士こそが、実は誰よりも「シルバーが本当の超能力者であること」と望んでいて、「シルバーの言った言葉」を信じたがっているということ。
超能力者の嘘を暴き続けているのは、実は誰よりも“本物”と出会いたいという心理があるからなわけです。

この展開、なかなかグッと来るものがありました。

Sub1 red lights large

さらに、バックリーの“理由”もまた、深いものがありまして。

実はこの“理由”こそが、「きっとあなたも騙される」の“オチ”なんですが、まあ気にせずネタバレ全開で書かせてもらうと、物理学者バックリーこそが、実は本物の超能力者なんですよ。
そして、マシスンと一緒にエセ超能力者の嘘を暴いてきたのも、そうやって超能力者を追いかけていけば、いつかは自分と同じような“本物の超能力者”に出会えると思っていたから。
ようするに、“自分の気持ちを共感してくれる相手”を探していた、というのが動機だったというわけです。

というわけで、マシスンとバックリーどちらも、実は“本物の能力者”と出会いたいからこそ、“能力者と思しき人”の元へ出向いては検証し、結果として嘘を暴いていたというわけで。

まあ正直、“オチ”のできそのものについては「もう、こう落とすしかないよね」というバレバレの展開だったため驚くことは無いんですが、二人それぞれが抱えた別々の“動機”が、結果的に同じ行動を取らせていたという構成はすごくイイ!

そしてさらに、マシスンの方は物語の中盤で死んでしまう(またもデニーロの超能力殺人かと思えるタイミングなんですが、“持病”が原因らしいです。)んですが、生前にマシスンが残した「能力が存在していることが証明されたら、息子を逝かせてあげられる」という言葉を継ぐように、“能力が実在していることを証明する者=バックリー”が息子の生命維持装置を切るという展開もステキ!

というわけで、この辺りの各人の心理に関しては、文句無くよく出来てる映画なんですよ。

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しかし、それ以外がホントに無茶苦茶で、言うなれば“雑”なのがこの映画。

バックリーが実は能力者っていうことの伏線はいろいろと張られているんですが、「何故かバックリーにつばを吐くおばちゃん」とか、「『バックリーさんはいますか?』と接続の依頼をしっかりやってる謎の無言電話」とか、“よくわからないけどなんか不思議”の演出が無駄に多くて、物語上のノイズがとにかく多い!

そして、最後の最後にやっぱりデニーロも“エセ能力者”だったってことがわかるんですが、2件の“超能力殺人事件”を筆頭にデニーロが起こした数々の“奇跡”の原因追求ってのは一切やらないわけですよ。
となると、結局あれが全部「偶然」ってことになると、それはそれで“超幸運”という超能力を持ってますよデニーロさん!!

さらに、クライマックスでデニーロとバックリーが対峙し、バックリーが真の超能力を見せ付ける最終対決があるんですが、その直前にデニーロ陣営のスタッフとバックリーが何故かトイレでバリバリの肉弾戦を繰り広げまして。
これが、鏡は割れるわ、便器も割れるわのガチバトルなんですが、まあビックリすることに物語上まったく必要の無い展開でして。
まあ、“最終対決時に鼻血の一つでも出していた方が迫力が出る”という意味はあるんですが、それが必要な展開なのかと言えば、「何、それ?」っていう話なわけですよ。

それでもまあ、ここまでは百歩譲って目をつぶってもいいんですが、一番ひどいのがデニーロのエセ能力のネタですよ。

盲目の超能力者デニーロが隠していた真実・・・、それはなんと!!
実は目が見えるんです!って。。。

いやいや、そこ一番最初に疑うとこやろーもーーーーん!!!

というわけで、マシスンの「動機」に心をつかまれていたせいで細かいツッコミどころの数々にも割と好意的な姿勢をとり続けていた僕なんですが、さすがにこれには全力でズッコケてしまいました…。

まあ、考えてみればロドリゴ・コルテス監督ってリミットの監督で。
面白いネタを一発思いついたら、細かいことは適当にごまかして仕上げちゃう作風と言えば『リミット』はまさにそういう作品だったわけで。
もう、“こういう作風の監督”と割り切ってしまうしかないんでしょうかね…。

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というわけで、もはや言うまでもなくあまりオススメできる作品ではなかったわけですが、一つ、どうしても「ここは見ておけ」という箇所があるんですよ。

それが、デニーロ演じるシルバーが「30年前にテレビで一世風靡した」という再現シーン。
ここで若きデニーロを演じるのが、デニーロものまね芸人「テル」を彷彿とさせる“いかにもデニーロっぽい立ち振る舞い”をする奴でして。
顔も“デニーロ芸人の顔マネ”にしか見えないクオリティ。
まあ、間違いなく“激似”ではあるんですが、こういう“モノマネ”を本人出演の映画でやってるっていう事実が超おもしろい!!

なんというか、あそこまでの“誇張モノマネ”を快くやらせてあげるデニーロの男気こそが、本作の最大の見所なんじゃないかとすら思える今日この頃。
果たして『レッドライト』の感想をつづるこのエントリーに、最後の“モノマネ芸人の話”が本当に必要だったのかどうかは自信ないですが、まあ、ここが一番おもしろかったのでこのまま公開しておくことにしようと思います。

いやー、激似だったなぁ。。。

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