一周回ってかっこいい!…と、思いたい。。。 映画『バスルーム 裸の2日間』ネタバレ感想

Madrid 1987 poster

今更説明することでもないですが、TSUTAYAのレンタルDVDコーナーには「新作」「準新作」「旧作」のコーナーがありまして、それぞれが「アクション」とか「ホラー」とか「ドラマ」とかカテゴリーごとに分類がされています。
そして、そんな各種カテゴリーの中に、「エロティック」というカテゴリーが存在しています。
完全なる“性的コンテンツ”、いわゆる「AV」はのれんの向こう側に陳列されているんですが、のれん手前のはずのこの「エロティック」コーナーにも、なかなかの“性的コンテンツ”が並んでおるわけです。

そしてまあ、これも男のSAGAとでも言うんでしょうか、僕は割と頻繁にこのコーナーを眺めてしまって、時にはそこからピックアップしたDVDをレンタルしてしまうこともあるわけで。
(もちろんその際には、「これは下品なエロコンテンツではなく芸術である」とでも思っているかのようにキリッとした男前の顔でDVDを手に取っております。)

そんな、完全なる下心でレンタルしてしまったのが本作『バスルーム裸の2日間』。
まさに、その“男の下心”がむき出しに描かれた映画で…。
「男って何歳になってもダメだな〜」という“男のかっこ悪さ”がガッツリとフィーチャーされた映画でした。

作品概要

2011/スペイン 上映時間:101分 R-15
原題:MADRID, 1987
配給:アットエンタテインメント
監督:デヴィット・トルエバ
出演:マリア・バルベルデ、ホセ・サクリスタン

<あらすじ>
1987年、マドリッドの暑い夏――。著名なジャーナリストでありながら、年老いてすっかり情熱を失くしたミゲル。彼はインタビュー取材のため、カフェで仕事をしながら相手を待っていた。取材をしに現れたのは、ジャーナリスト志望の女子学生、アンジェラ。彼女の美貌と若さに一目で心を奪われたミゲルは、彼女を部屋へと誘い込む。キスをしようとしたり、服を脱ぐよう要求したり、彼の言動に戸惑うアンジェラ。そして、ひょんなことから二人は裸のまま、狭いバスルームに閉じ込められてしまう。
完全に閉鎖された空間で、親子ほどに年の離れた二人の関係が徐々に変わっていく――。

感想

41 100点満点 scored by ultimate-ezバスルーム 裸の2日間

というわけで、変な前置きではじめてしまった今日の感想文。
というのも、TSUTAYAでこういう「エロい」作品を手にとってしまう自分自身を見せつけられるような作品なんですよ、コレ。

そんな本作のあらすじをざっくりと書くと、

主人公は、初老のジャーナリスト・ミゲルという男。
なかなか著名なジャーナリストなんですが、仕事への情熱はとうに燃え尽きてしまっているます。
そんなある日、レストランでコラムを書いているミゲルを一人の女子大生が訪ねてきます。
彼女はミゲルにインタビューを申し込んでいたアンジェラ。
ちなみにこの子が超かわいい。ここ大事なんでもう一度言いますが、超かわいい女子大生です。

そんな彼女に対して着火してしまったミゲルは、友人のアトリエへとアンジェラを誘います。
レストランのウェイターたちに対しても、「ワシくらいになると、こんなレベルの美人女子大生を抱けるんじゃ。うらやましかろう!!」という姿勢で接するミゲルは、もうこの時点から性欲全開です。
ちなみにアトリエの持ち主は留守にしており、二日間アトリエを空けることがわかっていて。
どうやら「女子大生からインタビュー取材の申し出を受けた時点で、とりあえず部屋を押さえていた」と見て間違いないでしょう。
ジジイ、性欲全開です。

アンジェラをアトリエへと連れ込むことに成功したミゲルは、もう性欲を一切隠すことなく、正々堂々と「キスしよう!」「やらないか!」と言い続けます。
ジャーナリストでありコラムニストである自身のスキルをフルに駆使しながら、時に「○○○だから△△。だから一度SEXをしてみよう」と論理的に、時に「私はもう老いた。。。だから一度だけ。。。」と情に訴えかけたり。あらゆるベクトルからSEXを申し出続けます。
いやいや、普通に口説けよ!

さすがにあきれ返ったアンジェラは一旦帰ろうとするんですが、ミゲルのあまりの情熱に観念したのか、ついにミゲルの前で服を脱ぎます。
クールに決めながらも、「やったー!!」という感情が表情に出ちゃってるミゲル。かわゆす!

しかし、そこで「やったー!!」というテンションでがっつかないのがミゲルという男。
無音の緊張感を脱しようと「音楽をかけても?」と提案するアンジェラに対し、

「音楽は邪魔になる」
「映画では観客は音楽を聴いていつ泣くべきかを知る」
「だが私は今、どう感じるべきかわかってる」
ゴリラが目覚めたよ。君のおかげだ」

と、レトリックが溢れまくった言葉を吐きます。
はい。言うまでも無く「ゴリラが目覚めた」とういのは「勃起」のメタファーです。

なんでしょうね。すげーださくてプライド高くて。いろいろとこじらせているミゲルの行動って、「男のかっこわるさ」を濃縮したようなものなんですが、ここまでのジジイがそれでも男のかっこ悪さを隠すことなく堂々と振るってしまうと、なんか一周してかっこよく見えてきちゃいます。

いやー、めげずにアタックし続けることって大事ですね!

Madrid 1987 3

しかし、せっかく裸になってくれたアンジェラの身体に、何故か絵の具を塗り始めるミゲル。(美術家のアトリエなので絵の具はその辺に転がってるんです。)
これもまた男の美学でありミゲルのプライドなのか!
ジジイ、めんどくせぇ!!

ここで「テメェ、アタマヲカシイノカ?」とわれに返ったアンジェラは絵の具を落とすため浴室へ。
しかし、シャワーを浴びているアンジェラの元へ、全裸+くわえタバコ姿のミゲルが乱入してきます。
もちろん、今度こそSEXをするために!

ちなみに、これまではかろうじて「著名なジャーナリスト」vs「ジャーナリスト志望の女子大生」ということでミゲル優位な感じがあったんですが、バスルームに入った時点で「だらしなく老いた肉体」vs「美しい身体」の残酷な対比が視覚化されることで、本質的な優位性がアンジェラ>ミゲルに逆転しているところは構成としては巧い!

その後、「ちょ!入ってこないで」「大丈夫、ゴリラはもう寝たよ。」なんていう会話を繰り広げながらやーやーやっているうちに建てつけの悪いバスルームのドアが閉まり、閉じ込められてしまうミゲルとアンジェラ。
そのままアトリエの持ち主が帰ってくるまでの二日間、裸のままバスルームですごすことになります。

とういわけで、タイトルにもなっているように本作のメインとなる舞台はこのバスルーム。
「場所は一定、衣装もなし。登場人物は二人だけ」という究極のミニマル環境の中で、二人がひたすらしゃべり続けるという会話劇というのが本作の真の姿なわけです。

ただ、そういう意味で本作の中心となる“会話”のテーマっていうのが、本作の舞台である80年代のスペインの最重要な時代背景である「フランコ政権崩壊」だったり、アンジェラの父親が厳格な軍人で「生きてバスルームを出れても、男と一晩過ごしたことがばれたら殺されるかも。。。」という社会通念的な要素だったり、アンジェラの姉は共産主義の闘志で、過去にミゲルと関係があったり。
スペインの近現代史に関する知識が多少でもあればいいんでしょうけど、そこが一切抜け落ちている僕にとっては、どれもこれもピンと来ない話で。
その結果、やっぱりミゲルがなんやかんや理屈をこねてSEXしたがるお話にしか見えなくて。

このあたり、原題が『Madrid 1987』なのに対し、邦題が『バスルーム裸の二日間』なのは、“1987年のマドリッドの様子がピンと来ない日本人にはこの原題では売りモノにならない”という判断を誰かがしたということ。
まあ、確かに全然ピンと来ないよね!

Madrid 1987 4

というわけで、“会話劇”の骨子となるスペイン事情がまったくわからないため、単に「ジジイが若い子とSEXをしたがる話」としか受け取ることの出来なかった本作。
となると、それで101分はさすがに長すぎる!というのが素直な感想なのでした。

ただ、それでも「ジジイの願いは成就するのか?」という点が気になってしまうのも悲しい男心。
ゴネにゴネた結果ついにその願いが満たされた(要はアンジェラがやらせてくれた)時には、「ジジイやったな!」という同士を称えるようななんともいえない気持ちと、超かわいいアンジェラの妖艶な姿(まあ、おっぱいは小さめではありますが。)に見とれてしまい、すげぇ興奮しちゃったりもしたんですけどね。

そんなわけで、なんだかこのブログで映画の感想を書き始めて70本ほどの映画感想記事をアップした中で一番の駄文を書き綴ってしまった気がしている今日の感想文。
おそらくこの映画に関しては、ちゃんとしかるべき知識があれば、「老い」と「若さ」、「男」と「女」、などあらゆる面で対極的な二人の“会話の妙”が楽しい映画なんじゃないかという気はしています。

それでも、アンジェラの姉(ミゲルは若い頃彼女にもセックスを迫っている前科アリ。。。)に「ジャーナリストとしてのミゲルは過大評価されているだけ」との酷評を食らってもなお、

「過大評価されたものだけが文筆で生計を立てられる。」

という妙に男らしい開き直りを見せたうえで、一瞬もひるむことなくSEXしたがることを辞めなかったミゲルに乾杯!というすがすがしい気持ちになった僕の感想も、これはこれでこの映画の感想。
映画の見方としてはきっと間違っているんだろうけど、まあ本日のところは、これでひとつよろしくおねがいいたします。。。

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