“クソカッコイイ”とは、こういうことさ。 映画『ザ・レイド』ネタバレ感想

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僕は「アクション映画」っていまひとつ詳しくなくて、これまでに観たアクション映画もあんまり多い方ではないとは思うんですが、それでも、この映画が“とんでもないアクション映画”ってことにはハッキリとした確信を持っています。
いやー、とんでもないぞ、『ザ・レイド』!!

ちなみに“インドネシア映画”を観るのも、僕は今回が初めてで。
大変失礼なことなんですが、“表現は拙いながらも独特の味が、、、”的な映画を想定していたんですが、いやいや、表現のセンスが半端じゃない!!
誇張抜きに「こんな映像観たことない!」と思えるシーンが満載で、アドレナリンが溢れまくって、アツい!!カッコいい!!

というわけで、“女性ウケ”は期待できない映画ではあるんですが、「これを好きじゃない奴とは友達になれる気がしない映画」として超大絶賛したい映画でした!

作品概要

2011/インドネシア 上映時間:102分 R15+
原題:The Raid: Redemption
配給:角川映画
監督:ギャレス・エバンス
出演:イコ・ウワイス、ジョー・タスリム、ドニー・アラムシャ、ヤヤン・ルヒアン

<あらすじ>
ジャカルタのスラム街を舞台に、警察の特殊部隊とギャングが繰り広げる壮絶な戦いを描いたインドネシア発のバイオレンスアクション。麻薬王が支配し、ギャングや殺し屋、ドラッグの売人の巣窟となっている高層ビルに、ジャカルタ警察のSWATチームが強制捜査に入る。しかし作戦の情報は筒抜けになっており、20人の隊員は無数のギャングを相手に激しい戦いを強いられ、ひとりまたひとりと命を落としていく。

感想

87 100点満点 scored by ultimate-ezザ・レイド

というわけで、激アツのアクション映画だった『ザ・レイド』。

ざっくりとあらすじを書くと、「麻薬王が支配し、犯罪者たち(ギャング)の巣窟と化したビルにSWAT部隊が突入。SWATvsギャングの血で血を洗う殲滅戦が展開する。以上。」という感じ。

「汚職警官とギャングの癒着問題」や「真の黒幕の正体が明らかになる展開」もあるし、「ギャングの中ボスの一人がSWAT舞台に属する主人公の身内という展開(しかも、オープニングでの台詞が伏線になっていたりもする)」があったりと、意外に複雑なプロットだったりもするんですけど、本作に関してはそこはどうでもいいと言いますか。。
逆に、「そんなギャングだらけのビルに“一組”だけ一般人の中年夫婦が住んでいる」という強烈なツッコミどころもあるんですけど、本作に関してはそこもどうでもいいと言いますか。。
これが褒め言葉なのか悪口なのか微妙なところなんですが、正直、「この映画にストーリーは要らない!」といいますか。。

シナリオの良いところも悪いところも全く気にならないくらいに、とにかくアクションが超イケてるんですよ!
「シラット」というマレーシアやインドネシアで盛んな格闘技を軸に、銃撃戦あり、肉弾戦あり。
ナイフを使ったかと思えば、トンファーナタと、使われる道具も多彩。
さらには、ガスボンベを使って爆弾を作ってみたりと、息つくまもなく怒涛の展開で。
“アクション”としての緩急の付け方や動きのバリエーションの多彩さスゴイし、“見せ方”としてのカメラワークも斬新。

さらに、敵も味方も、“一撃必殺”の精神で致命傷を狙いに来ているのが“頭ではなく心で”理解できて。
殺陣としての“様式美”よりも、「殺(や)る」「殺(と)る」の“生々しさ”が溢れているっていうんですかね、とにかく一撃一撃に“重さ”みたいなものがあって。
その重さが、“派手”なだけではなく強烈な“迫力”を生んでいるのが素晴らしい!

いやー、こんなアクション映画観たことない!!

ちなみに一番カッコいいアクションシーンがYoutubeで切り出されていたので貼っておきます。
ビルという多層構造を生かしたアクションに加え、上からの視点とスピンしながら上下動するカメラワークが見もの!
いやー、改めて言いますが、こんなアクション映画観たことない!!
(ちょっとした残酷描写もありますのでご注意ください。)

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そして、この映画を語るうえで絶対に欠かせないのが「マッド・ドッグ」という男。

ギャング側のボスである麻薬王リヤディには二人の腹心がいまして。
一人は、“知”のアンディ(後に主人公の兄であることが判明する人物)。
そしてもう一人が、“武”のマッド・ドッグ。

このマッド・ドッグという男、背は低く、あんまり洗ってなさそうなロン毛にひげ面が特徴の「小汚い小男」なんですが、リヤディ配下の最大戦力保持者で。
そして、あくまで“拳での決着”を至上とする“漢(おとこ)”なんですよ。
(そして、演じているヤヤン・ルヒアンという役者がシラットのインストラクターってこともあって、その動きに確かな“強さ”の説得力があるのも良いです。良い!!

SWAT部隊を指揮する巡査部長ジャカと対峙するところでは、銃で瞬殺できるタイミングだったにもかかわらず、あえて“素手”。仲間と袋叩きに出来るタイミングでも、あえて“タイマン”
真っ向勝負した上で、正々堂々と叩き潰すという“漢(おとこ)”っぷり。否、侠客(おとこ)っぷり!!

画面からの迫力でもってジャカが超強い男だってことをわからせた上で、それをさらに上回ってみせるマッド・ドッグ。
いやー、血沸き肉踊るって言うんですかね。これはもう、アツ過ぎる!!

ボスであるリヤディが姑息でゲスい男だけに、マッド・ドッグのかっこよさにシビレますよ!!

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さらに、主人公・ラマとの対峙も激アツ!

ラマとマッド・ドッグの対決はアンディの存在を巡ったもので。
かろうじて肉親の情を持っていたアンディは、“皆殺し”命令が出ているビルの中で弟のラマを庇い、何とか逃がそうと画策。
つまり、麻薬王リヤディを裏切っていたわけなんですが、結局はリヤディにバレて、鎖に繋がれフルボッコにされてしまいます。

そこに颯爽と現れるラマ、待ち構えるマッド・ドッグ。

当然、「兄貴を放せ!」「ふっ、、、俺を倒したらな。。。」的な展開があるのかと思いきや、マッド・ドッグの行動は完全に予想外。
なんと、アンディの鎖を外し、「よっしゃ、ケンカや!」と、自ら“1vs2”の劣勢の戦いを始めちゃうわけです。

アンディを“人質”というコマに使い、完全なる優勢で展開できたはずの場面を、何故か“あえて”不利な状況にしてしまう。
これこそがマッド・ドッグの美学!!
そこにシビれる!あこがれるゥ!

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ちなみに、主人公ラマも激強な男。

マッド・ドッグ戦に至るまでのラマの活躍はそりゃあもうイケイケ。
素手で暴れた時の強さはもちろん、トンファーの使い方が半端じゃなくて。
1vs5とかの劣勢ですらまったくピンチに見えないほど、圧倒的な“強さ”を持った人物だってことが、立ちふるまいを見ているだけで確信できるほどなんですよ。

もちろん、“知力”が売りだったアンディも、リヤディの右腕なわけですから、当然弱いってことはないわけで。
そんな2人を相手にするわけなんですが、1vs2という劣勢の状況ながら互角以上の戦いを繰り広げるマッド・ドッグ。
(なぜか文章が完全にマッド・ドッグ側からの視点になってしまっています。しかし、この映画を見た人ならこの気持ち、わかってくれるはずッ!)
ついには二人を押しのけ、地面に這いつくばらせます。
一本結びの髪もほどけてしまいぼさぼさの頭で。血と汗でギットギトの顔で超きったないんですが、その佇まいのかっこよさがやばすぎる!!

いやー、まさか“敵”を(しかもキッタナイこんな小男を)、かっこいいと思うとは!
彼の登場シーンからは想像もつきませんでしたよ!

そんなわけで本作『ザ・レイド』。
グラン・トリノ』『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』『世界最速のインディアンと並んで、僕の中の「カッコイイとはこういうことさ。映画」のカテゴリーに堂々と格納されました!

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ただしその後は、復活したラマとアンディの攻撃により敗北。。。
いやもう、ここに関してはね、何でマッド・ドッグが負けたのかがよくわかりません。
そりゃまあ話の都合上、ラマが勝たないといけないっていうのは理解できるんですが、それまでは“こいつは強い”に説得力のある描き方がなされていただけに、「わかるけど納得いかない」という理不尽さを感じてしまいました。

そうですね。
近いところだと「グラップラー刃牙」の最大トーナメント準決勝。範馬刃牙vs烈海王の試合を思い出しました。
あの試合も、「これ、どうやって烈に勝つんだ??」と心配になるほど圧倒的に烈海王が強そうに見えていて。
最終的にグローブを外した烈の強さったら尋常じゃなくて、読者目線からも「これ、もうどうやったって勝てないぜ。。。」みたいな状況で、“巨凶・範馬の血”という謎のチート技で大逆転しちゃったわけで。

Baki retsu

ただ、正直「う〜ん。。。」と思わなくもないけれど、やっぱり何だかんだで「刃牙はアレはアレで大好きなんだよな〜」と思ってしまうわけで。

そして、本作『ザ・レイド』も完全にそういう類の作品なわけです。
決して「完璧」とは言えないのかもしれないけれど、こちらの予想を想定外の角度で上回る表現力は、一度ハマると抜け出せるものではないんですよ!

というわけで、(なんだか最近「映画の感想」といいながらジョジョやらバキの話ばかりしている気がしないでもないですが。)『グラップラー刃牙』級にやられてしまった映画『ザ・レイド』。
雄度高めの映画で、残酷な描写も少なくないので万人受けの作品とは言いがたいんですが、細かいことは抜きにして“一撃必殺”のぶつかり合いが見たい「男たち」と「漢たち」と「侠客たち」にオススメしたい映画なのでした。

余談ですが、、、

日本でのイベントでは、“ももち”こと嗣永桃子がマッド・ドッグと絡んだようです。これは見たかった!!

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