第二次ディズニールネッサンス、ここに完成!! 映画『塔の上のラプンツェル』ネタバレ感想

塔の上のラプンツェル ブルーレイ(デジタルコピー & e-move付き) [Blu-ray]ディズニー映画の感想ということで、まずは前書きから。

【注意】今回の感想ですが、かなり熱く、長くなり、多分「感想」とは言えないものになります。
ディズニー映画に興味がない人は、その温度差がエラいことになると思いますので、ご注意ください。

というわけで、『塔の上のラプンツェル』の感想ですが、まずはいきなり結論から。

2006年、ジョン・ラセターがディズニーにCCOとして就任して、
アイズナー政権下で腐敗してしまったディズニーのアニメーションを再興するためにやってきたことは、
この『塔の上のラプンツェル』にて、ひとまずの完成形を見せたのだと思う。
まさに、「ディズニー映画ルネッサンス」と断言できる作品。
第1次ディズニー映画ルネッサンスというべき超傑作の3作『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』以降の作品の中で、「最高傑作」だと断言しておきます!!

作品概要

2010/アメリカ 上映時間:92分 G
原題:Tangled
配給:ディズニー
監督:ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード

<あらすじ>
逃亡中の盗賊フリン・ライダーは、山奥の谷にそびえ立つ高い塔を見つける。好奇心から塔に入ったフリンは、髪が驚くほど長い不思議な少女ラプンツェルと出会う。彼女は18年間、塔の中だけで生活してきたがフリンとともに外の世界へ冒険の旅に出ることになる。

感想

89 100点満点 scored by ultimate-ez塔の上のラプンツェル

というわけで、個人的には「もう、MAXテンション!!!」という感じなんですが、「近年の最高傑作」という意見には否定的な意見もあるんじゃないかと思う。

2006年以降のディズニー映画は非常にレベルが高く、個々の要素を見ると他の作品に劣る部分もあり、本作がズバ抜けた特別な作品というわけでもなかったりする。
例えば、「一枚の絵の美しさ」を突き詰めたという意味では、前作『プリンセスと魔法のキス』の「絵」の美しさはピカ一だったし、「音楽」でいうと、本作と同じくアラン・メンケンが音楽を担当した『魔法にかけられて』の方が、個人的には好みだ。

が、しかし、それを踏まえても、本作が「ここ15年のディズニー映画で最高傑作」である根拠は、本作が、「純粋なファンタジー映画である点」と、「ディズニー映画のメソッドで作られた、初の3Dアニメーションである点」の2つに集約される。

まず、本作が「純粋なファンタジー映画である点」。
これだけをもってしても、本作でディズニー映画の完璧な回帰と言って差し支えないと思う。

上述したように、ここ最近のディズニー映画はレベルが高く、王道であるプリンセスストーリーの2作、『魔法にかけられて』『プリンセスと魔法のキス』は、どちらも本当にいい作品だった。
しかし、この2作を「純粋なファンタジー映画」と呼んでいいかというと、ちょっと微妙だ。

というのも、どちらの作品も、登場人物達が「ファンタジーのルール」を知っているんですよ。
言うなれば、あの2作は「プリンセスストーリーのメタフィクション」もしくは、「プリンセスストーリーのパロディ」という一面を持っていて。
両作品を見た後(特に「魔法にかけられて」を見た後)の感想として、「こういうメタ構造やパロディ要素を入れないと、今の時代にプリンセスストーリーは作れないのか。。。」という残念な気持ちも、少しだけあったもので。

しかし本作で、ディズニーはちゃんとその問題に正面から向きあって、純粋なファンタジーとしてのプリンセスストーリーを、この時代に生み出してくれたのだ。

もう、この一点だけで超素晴らしい!!

その副作用として、悪役を無理矢理「悪」として描きすぎているという点が気にはなったけれど、それはそれ。
正しいプリンセスストーリーには、アイコンとしての「悪」が必要なんだと割りきりましょう。ここは。

Main new large

もう一点、本作の素晴らしいところは、「ディズニー映画のメソッドで作られた、初の3Dアニメーションである」という点。

これは、ディズニーにジョン・ラセター(PIXERの中心人物)がやってくるまでの歴史が関わってくることだが、まさに、そこからのディズニーの歴史が、この作品で一つの形になったのだ。

先日の『プリンセスと魔法のキス』の感想で散々書いたことでもあるんですが、「ディズニー映画」は一度、アイズナーというCEOの政権下で3Dへと方向転換したものの、他のアニメーションスタジオと比べるとクオリティーが低く、ファンは離れていった。
その危機を脱するべく、白羽の矢が立てられたのが、3Dアニメーションの申し子「ジョン・ラセター」だった。
そして、CCO(クリエイティブ部門のトップ)に就任したジョン・ラセターは、短期的に映像のクオリティーを上げるべく奮闘し、『ルイスと未来泥棒』『ティンカー・ベル』『ボルト』と、一作品ごとに確かにクオリティーを上げ、「ディズニーの3Dも良くなった」と世間に思わせるまでになっていった。
しかし、偉そうに語らせてもらうならば、この3つの映画はどれも「PIXERのメソッド」で作られた3D映画で、抽象的な言い方になってしまうけれど「PIXERっぽい映像作品」だったんですよ!!
(突貫工事で映画の完成度を高めるためには、既に出来上がった方法を使うのは仕方なく、あの時点では正しいやり方だったと思うけど。)

その後、本格的に一から作った新しい映画『プリンセスと魔法のキス』で、ラセターは過去の偉人たちをディズニーに呼び戻し、まさに「僕らが観たかったディズニー映画」をスクリーンに呼び戻した。
つまり、劣化したディズニーを正しく復活させることに成功したのが『プリンセスと魔法のキス』だったというわけです。

そうやってディズニーを復活させた上で、3Dアニメーションの天才ジョン・ラセターは本作でついに、満を持して「ディズニーのメソッド」で3Dアニメーションを作ったというわけです。

PIXERの映画のように、映画の1コマを見て実写と見間違えるようなシーンは無いけれど、キャラクターの動きだけじゃなく、木や水や風の動きまで、すべてが「ディズニーらしい動き」を見せる本作。
まさに、「僕らが観たかったディズニー映画」を、そのままの「絵」と「動き」で3Dアニメーションにするという偉業を成し遂げたのが『塔の上のラプンツェル』なのだ。

「正しく復活し、待ち望んでいたディズニー映画を見せてくれた」のが前作だとすると、「正しく一歩前へ進んで、待ち望んでいた以上のものを見せてくれた」のが本作。

これを、『最高傑作』と呼ばずして、どれを呼ぶって言うんだ!
本当に、素晴らしい映画だった!

Main large

『白雪姫』に始まり、傑作『ピノキオ』や『シンデレラ』『不思議の国のアリス』などの作品で世界を変えたディズニー。
その後、ちょっと「あれれ・・・」と思うような映画を作るものの、80年代後半からの『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』という作品は、ディズニーの復活を感じさせる素晴らしい作品だった。
(個人的にもディズニー映画で一番好きなのは『美女と野獣』。音楽だけで言えば『リトル・マーメイド』の音楽は映画音楽史上の最高傑作だとすら思っています!!)
その後再び低迷したディズニーですが、ここに来て、近年積み上げてきたものの集大成ともいうようなものすごい傑作が生まれたわけで。
これはもう、80年代後半の作品に続くような、第二次ディズニー・ルネッサンス!!!

「もうダメだ。。。」と見捨てられかけているところから内省的に何度でも蘇り、魅力的な作品を世に出し続けるところに感動と感謝を覚えざるをえない。
いやー、世界最高のエンターテイメント集団の底力、恐るべし!!!

余談ですが、、、

フリンの独白から始まる本作。
その冒頭の一文から、一気に心を奪われた。
前作で、印象的な「死」を描いたことで、「ディズニー映画でもキャラクターが死ぬことがある」と知ってしまった僕たち、、、

そこにあのセリフはずるいっすよ!!!

Commentsこの記事についたコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です