続編が出るとすれば、そのタイトルは『シャークナイト・ライジング』なのか? 映画『シャーク・ナイト』ネタバレ感想

Sharknight近所のTSUTAYAでタイトルを見つけた瞬間、完全に『ダークナイト』のパクリ映画だと思い、半笑いで手にとってみると、「『ホステル』のクリス・ブリッグスと『ファイナル・デスティネーション』シリーズのデビッド・R・エリスのタッグ」との文字が。
『ファイナル・デスティネーション』シリーズが大好物の僕としては「これは観なくちゃ!!」とテンションが上がったんですが・・・。

まあ、どうしようもなくつまらないとまでは言わないにしても、「バカな大学生グループ(男女混合)が、ちょっとエッチなバケーションの最中にサメに食われる」というものすご〜くベタな内容で。
初見で「こいつとこいつが死んで、この二人が生き延びそうだな」という予想から1ミリもズレないという感じ。

まあ、見ても見なくても僕の人生に1ミリも影響を与えないような映画だというのが正直なところではあるんですが、ラストのある展開のせいでなんとも「珍妙」な味わいのある不思議な映画でした。

作品概要

2011/アメリカ 上映時間:91分 PG12
原題:Shark Night 3D
配給:ポニー・キャニオン
監督:デビッド・R・エリス
制作:マイク・フレイス、リネット・ハウエル、クリス・ブリッグス
出演:サラ・パクストン、ダスティン・ミリガン、クリス・カーマック、キャサリン・マクフィー

<あらすじ>
美しい水と緑に囲まれたクロスビー湖には、毎年夏に裕福な都会の若者たちがバカンスに訪れる。しかし、地元住民のなかには屈折した思いと邪悪な欲望にとりつかれた者たちがいた。ある夏、大学生サラと6人の仲間たちが湖にやってくるが、そこには本来いないはずのサメが解き放たれていた。仲間の1人が腕を食いちぎられてしまい、助けを求めるサラたちだったが、湖にはさらなる残酷なショーの仕かけが施されていた。

感想

12 100点満点 scored by ultimate-ezシャーク・ナイト

というわけで、わりとガッカリ映画だった本作『シャーク・ナイト』。

というのも、『ファイナル・デスティネーション』シリーズの監督の作品ということで、こちらとして期待するのはやっぱり死に方のバリエーションだったりするわけですよ。
とはいえ、本作は『JAWS』という巨木から派生した一枝で、アニマルパニック映画の定番中の定番である「サメ」映画なわけで。
死に方にバリエーションもクソもなく、大体みんなサメに食われるってのはわかりきってるわけですよ。
そこを、デビッド・R・エリスが作ると、どういう風にバリエーションが展開していくんだろう。
それこそが、本作に期待するポイントなわけです。

で、実際にどうだったかというと、「みんなサメに食われる」っていうのはやっぱりその通りなんだけど、そこにちゃんとバリエーションがあるんですよ。
なんとこの映画、犠牲者ごとに、襲ってくるサメの種類が違うのだ!!!!

・・・。

ええ、僕も思いましたよ。「なんだそりゃ?」と。
ほんと申し訳ないけれど、「そういうことじゃないだろう!」と。

もちろん、「サメ好き」というニッチなご趣味をお持ちの方であれば、この映画を堪能できるのかもしれない。
ホオジロザメとかシュモクザメとか、その辺りのメジャーなサメなら他の映画でも観ることは出来るかもしれないけど、「ダルマザメ」なんていう見たことも聞いたこともないようなサメが人を襲う映像が見えるのはこの映画だけだろうから。
(参照:ダルマザメ@wikipedia

ただね、クライマックスでの悪役のセリフで「この湖には45種類のサメを放しているんだ。。そして、ついに今朝、46種類目のサメを見つけたのさ。。。くっくっく、、見よ!!46種類目の最凶のサメを!!!」(※このセリフは、僕のノリにより多分に脚色されております。)なんて言いつつ、実際は6、7種類くらいしか出てこないんですよ。
これが、ほんとに46種類のサメが登場して、上映時間90分で46人を襲う(つまり、約2分間に一人が食われる)っていう映画だったら、ある意味おもしろかったのかもしれないけど、これじゃああまりに中途半端。

サメのCGのクオリティーから推測するに、予算が少なめだったことは想像に難くないが、それなら「46種類のサメ」なんていう大風呂敷を広げなきゃいいのに!と、ガッカリしてしまった。

まあ、唯一の売りである「サメの種類」にすら満足できない作品なので、それ以外でもガッカリするところだらけ。

片腕失って瀕死の状態だった男が、勢いだけでサメをぶっ殺したり(そもそもお前がそんだけ元気だったら、他のやつは死なずにすんだんだけど!!)、ヒロインが水中で閉じ込められている檻のスキマの幅が、人間が余裕で出入りできそうなサイズで。「いや、そこから出ればいいんじゃない?」と思ったり、細かい突っ込みどころが満載。

まあ、それは百歩譲って目をつぶったとして、一番最悪なのが「死」を中途半端に深刻に描いてしまっているところ。
『ファイナル・デスティネーション』シリーズの特徴に、「死」の扱いの軽さがあって、人がいとも簡単に死んでいく、というものがある。
当然、本作にもそのノリを期待していたんだけど、「恋人の死に号泣⇒サメに復讐」の妙に深刻な感じはどうだろう?
しかも、そこから物語がハード方向に展開して行くならまだしも、結局、その後の展開はバカがバカやってサメに食われるというおバカパニック映画の定石どおりで。

いやー、何がしたいんでしょう、この映画。

バカをやるのなら、真剣にバカをやるべきだし、おバカ映画を期待した悪趣味なヤツにガツンと食らわせる映画をやりたいならそこを真剣にやるべきですよ!
そこがどっちつかずというか、スタンスが非常にテキトウ
話うんぬんというよりも、その映画作りの姿勢にこそ、本当にがっかりだった。

唯一、「アイツが実は悪人だった(しかも、見るからに悪者だと思っていたら、実は意外にいい人だった!と思ったらやっぱり極悪!!」「サメの被害は実は人の手によるものだった」という展開にはちょっとビックリ。
しかし、それだって、決して「斬新」と呼べるほどのものではないしな〜。
それだったら、「悪人だと思ってたアイツが実はいい人でした」の1ネタをとことん突き詰めたお馬鹿パニック映画『タッカーとデイル』の方がはるかに魅力的だったな~と思うのでした。

ま、ヒロインがケツアゴだからイマイチ盛り上がらなかったという点も、少なからず影響ありますけどね。

というわけで、なんとも中途半端で微妙な作品だったわけですが、実はこの映画はそれで終わりではなくて。
エンドロールの後に、何故か登場人物たちが劇中の惨劇をラップで表現するという得体の知れないエンディングが用意されている。
(しかも日本語字幕もちゃんと韻を踏んでいる!)

特段おもしろいというわけでもなく、悪趣味というわけでもなく、「一体、なんでラップなんだろう?」という疑問符だけを残す、なんとも形容しがたいエンディング。
目的や意図がまったく見えないだけに、なんだか妙に不安になる映像で、こういう得体の知れない演出をやってしまう製作者こそが、サメなんかよりよっぽど怖い映画なのでした。

いやー、本当に。何だったんでしょう、この映画???

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