何がしたいんだ?オブ・ザ・イヤー2012 映画『アポロ18』ネタバレ感想

アポロ18 [DVD]

「アポロ計画にまつわる陰謀説を背景に、公式には存在していない「アポロ18号」の乗組員が月面で遭遇した事件を、、、」なんていう超面白そうなあらすじに思いっきり心を鷲掴みにされ、超ウキウキした気持ちでブルーレイの再生ボタンを押した僕の気持ちを返してくれ!!!
どこまでもツメが甘くて、ほんとにもう!一体何がしたいんだよ、この映画!

作品概要

2011/アメリカ 上映時間:87分 G
原題:Apollo 18
配給:角川映画
監督:ゴンサロ・ロペス=ギャレゴ
出演:ウォーレン・クリスティー、ロイド・オーウェン、ライアン・ロビンス

<あらすじ>
1961年から72年にかけて計6回の有人月面着陸を成功させたアポロ計画は、アポロ17号を最後に突然打ち切られる。しかし、極秘に記録された映像フィルムの中には、存在しないはずのアポロ18号が月面に着陸し、乗組員が恐るべき事件に直面する様子が映し出されていた……。

感想

18 100点満点 scored by ultimate-ezアポロ18

アポロ計画にまつわる陰謀論を背景に、存在しない「アポロ18号」が遭遇した事件を描いた本作。
ドキュメンタリー映画という名目で制作されていて、「NASAが封印していた映像が、ネットの片隅で見つかりました。それを編集して公開します。」という一文が映画の冒頭で提示される。

もちろん、バリバリのフェイク・ドキュメンタリーで、この一文を見たからといって「え〜!これ、本物の映像なの!!!」って驚く人はいないんだけど、それにしても「ネットの片隅で見つかった」って。。。ニセモノだとわかって見るにしても、もう少し説得力が欲しいところだ。
まあ、でも尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件なんてこともあったし、あのNASAだって映像流出事件くらい起こしてもおかしくないよな〜、なんて自分を納得させながら、ようやく映画スタート。
映画開始数秒で、こちら側が折れてやらないと納得しづらいって、その時点でフェイク・ドキュメンタリーとしてダメダメなんですけどね。

そこからしばらくは、状況説明的な映像が続く。
アポロ18号のクルーに任命された3名の宇宙飛行士がそれぞれ決意を語ったり、バーベキューしたり。
ここでも、「公式の記録映像になんでバーベキューの映像がカット・インされてんだろう。。。」という疑問はあるんですが、そんな細かいことを気にしてられない映画なんで、まあいいとしましょう。

そんなこんなで3名を乗せたロケットは無事発進。特に問題なく月面着陸を成功させ、月面に国旗を立てて、というシーンが続く。
そして、18号の真の目的である極秘任務として、「PSD5(謎の機械)」を月面に設置する。
何事もなく任務を終えたかに見えたが、実はその背景で、月面の石が不自然にカタカタと動く様子が写っている。
この辺りから、「う〜ん、この映像は誰がどこから撮った映像なんだ?」と思うような映像が増えてきて、早くもフェイク・ドキュメンタリーの土台が揺るぎ始めるんだけど、そんな細かいことを気にしてられない映画なんで、まあいいとしましょう。

初日の任務を終え、就寝を挟んで2日目。ヒューストンとの通信にやたらとノイズが乗るようになるのが気になりつつも、再度月面での活動へ。
と、ここで、月面に自分たちのものではない足跡を発見!足跡を辿った先を探索すると、その先にはソ連の月着陸船の姿が!!
ソ連も極秘で有人月面着陸を成功させていただって〜!!!
という感じで、ここで本映画の唯一にして最大の盛り上がりがあります。

アポロの陰謀論と言えば、当然月面に宇宙人がいるんだろな〜くらいに考えてたんですが、まさかロシア人がいるとは!!と予想外の展開に僕も超興奮。

しかも、この月着陸船が、「地球は青かった」でお馴染み、人類初の有人宇宙飛行を成し遂げたユーリ・ガガーリンが搭乗していた「ボストーク1号」を進化させたような形状で、「ソ連の月着陸船」としてしっかりと説得力があるビジュアルなんですよ。

小学生の頃の将来の夢が「宇宙飛行士」で、元・宇宙大好きキッズだった僕としては、かなりテンションが上がる展開。

と、この辺までは、「気にならないところが無いわけじゃない」とは言え、結構ワクワクする映画だった。ただ、ここからの展開が本当に救いようもないほどに意味不明で・・・。
ヒューストンとの通信がうまくいかないため、二人の飛行士はかなり勝手な行動をとるんだけど、宇宙飛行士って肉体的にも精神的にも超大変な試験をくぐり抜けた超エリートたちのはずなんだけどなぁ。

Apollo18 2

その後の展開をざっと書くと、、

ソ連の宇宙船に勝手に乗り込んでみると、機能は生きてるけど無人で荒れ放題→足跡を頼りに周りを探索すると、真っ暗なクレーターの中でソ連の宇宙飛行士の死体を発見→死体を調べると宇宙服が裂けており、裂け目には「石」が入っていた。

自船に戻った二人は、「ソ連が来てるの知ってただろ!」とヒューストンを問い詰めるも、「ちょっとわからんから、国防省に聞いてみるね」とのらりくらりのかわされる。→相変わらずノイズが激しかったり「月面に立てていた国旗が消える」なんていう不思議な事件が起こるも、「まあいいから帰って来い」という強権で離陸準備を開始→いざ出発しようとしたら船外のカメラが故障、船にも影響があるっぽいので離陸を中止→船長のネイトが船外に出て修理を始めるも、突然「ヘルメットの中に何かいる!」とパニック状態。たしかにヘルメットの中に「蜘蛛」みたいな生き物が!
→船内にいたベンも急遽月面へ出てネイト船長を救出→「蜘蛛」みたいな生き物は見当たらないが、ネイトの胸に心当たりのない傷を発見。傷の周辺を触ってみると、何かしら硬質な異物が→摘出しようとすると、傷口から飛び出してくる異物。それは「石」だった。→ハンマーで石を破壊すると石は「悲鳴」をあげる。なんだこれ、生き物か?

ヒューストンからの通信は受信だけしかできなくなり途方にくれる二人→摘出後の傷口が化膿すると同時に、性格が凶暴化するネイト→錯乱状態になり船を破壊→破壊された船の状態では帰還が不可能と判断したベンはネイトを連れ、ソ連の宇宙船を使っての帰還を試みる→少しだけ正気を取り戻したネイトだが、「奴らはどこにでもいる」「逃げられない」とうわ言のように繰り返す→直後、移動に使っていた月面探査車が横転。投げ出された二人だが、ネイト船長だけが何者かに引きづられてクレーターの中へ→ベンがクレーター内部をフラッシュで照らすとモゾモゾと動いている大量の石→ベン、逃げる。

ソ連の宇宙船へたどり着いたベン。ソ連経由でヒューストンとの連絡をとるも、「ごめん、無理。」と完全に見捨てられたことを悟る。→しかし、そこへ司令船のジョンからの通信が(アポロでは基本、3人の宇宙飛行士の内、2人が月へ着陸し1人は司令船に残ります。)→「ソ連の宇宙船でこっちまで来い。ドッキングは出来ないから、宇宙遊泳で乗り込んでこい!」というプランで運命を繋ぎ、離陸を開始するベンだが、突然宇宙船に激しい揺れが。
→宇宙船を揺らしていたのはネイト船長。→なんとか乗り込もうとするネイトの常軌を逸した姿にベンは躊躇。→ハンマーを取り出し窓を叩くネイト→窓は割れず、おとなしくなるネイトだが、宇宙服の内部にはすでに無数の「石」が。→立ちつくすネイトだったが、突如「石」がヘルメットを突き破りネイトの頭部も破壊され倒れる。そして、またどこかへと引きづられていく。
→錯乱するベンだったが、ジョンの呼びかけで再び離陸準備を再開→ジョンの元へは国防省から「ベンを見捨てないとお前も帰還させないよ」との脅しが入るも、「くそったれ!一緒に帰るぞ!」と奮起→ベンを乗せたロケットは、ついに離陸→ベンを乗せた宇宙船は月の重力圏を離れ無重力状態へ→床に落ちていた月の「石」が浮かび上がり、擬態を解いて「蜘蛛」のような姿に!→「石」に襲撃されるベン→コントロールを失ったソ連の宇宙船は、そのまま司令船へ突っ込む。→ドッカーン

アポロ18号3人の乗組員がそれぞれ別の任地で飛行中の事故により死亡、遺体は発見できていないという“公式記録”が表示され、最後に「地球に持ち帰られた月の石は多数が友好国へと贈られたが、その多くが紛失、盗難されている」というメッセージが出て、終了。

とまあ、長々とネタバレ全開でオチまで書いちゃったわけですが、要するに、月には「石」に擬態した謎の生き物が生息していましたよ、と。そして、月の石って何個も持って帰ってきてるわけだけど、アレが実は宇宙生物で超ヤバいですよ!っていうお話だったってわけです。

Apollo18

それでは、あらためまして、いろいろ突っ込んでいきたいと思います。

まず、この映像は「NASAから流出した極秘映像」っていう話だったけど、どうやってNASAに届いたのかっていうのが謎。
乗組員は全滅しているわけだし、地球との通信は受信しかできていなかったわけだし。
まあ、実は「アポロとの通信はちゃんと出来ていた=電波障害は嘘」と考えることもできるけど、初日から電波障害があったってことは、端から乗組員を帰還させないつもりの計画だった、としか考えられないわけで、それもそれで意味不明です。
さらに、急遽乗り込んだはずのソ連の宇宙船内部の映像まで残ってるのは、どうしても説明がつかない。しかも「別角度からの映像カットイン」みたいな編集もされてたりして。

いや、あの〜、映画としての見せ場を演出したいって気持ちはわかるんだけど、最初に自分で「ネットの片隅で発見されたガチ動画でっせ!」って売り言葉を言ってしまってるわけだからせ、せめてドキュメンタリーに見えるような努力はしてくださいよ。。。

さらに言うと、「じゃあなんでアポロ11号〜17号(13号除く)は襲われなかったの?」ってとこは説明されてなくて、月面にいるアイツらに彼らが襲われた理由ってのかがよくわからないんですよ。
「PSD5(謎の機械)」が彼らを刺激したからなんじゃないかっていう予想をベンがするんだけど、いやいや、だったらソ連の宇宙飛行士は襲われないじゃんって。(彼らは彼らで謎の機械を設置してたのかもしれないけど。)
月面の国旗を破壊するってところで「ナワバリに侵入したから襲われた」という説も想像できるけど、だったら「地球に持ち帰った石が危険かも!」っていう話にはつながらないしなぁ。

うーん、なぜ18号”だけ”が襲われたのか、そしてなぜ地上に持ち帰った石も”危険かもしれない”のか。それを描いてないとホラーとしても成立しないんですけど。。。

というわけで、「幻のアポロ18号の真実」という大変グッとくるテーマを掲げておきながら、その実「パラノーマル・アクティビティ in 月」的ホラーで、しかもひどい穴だらけだった本作。

「月面に、ソ連の宇宙船があった」のところなんかは予想外の“驚き”があったんだけど、なんでしょう、その後の展開がグズグズとしか言いようがなくて。
ホントにあとちょっっっっっとだけでも見せ方やプロットの根拠を考えて作っていれば、多少なりともまともに見せられたはずのネタだっただけに、何も考えずに作ったとしか思えないそこかしこの穴が腹立たしくてしょうがない。

ホントにもう!制作陣はこの映画で何がしたかったんだよ!
エンドロールを見る限り、かなりたくさんの人が携わってる映画なのに、どうして誰も何も言わずに完成を迎えちゃってるんだよ!!もう!!!

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